第723号 2013年5月17日「5月になると」
毎年のことながら、ゴールデンウィークを過ぎると、夏休みまでは暇な時期になる。ということで、今、WEBの見直しをやっています。
今年は、2年以上前から指摘されてきた『正直屋縁』のほうを作り直しています。直したら直したで、完成した頃には、もうひとつのほうが古いと言われたり、携帯やらスマホのほうも見づらいから直したほうがいいと言われたりしますので、日々、追いかけっこをしているような気がします。
先日、ユーチューブ用に男物紋付着物袴の着用シーンを撮りました。これは、私がモデルになったので、もちろんヘア・メイクは無しで、着付も母さんがしましたから簡単でした。今月中に、古典の振袖やブランド振袖も撮りたいと考えています。今のうちに撮りだめしておけば、夏以降のDM作成にも利用できるので、少し無理をしてもやっておきたいと思っています。
4月初めから、『きものお手入れキャンペーン』をやっていますが、カビの生えやすい梅雨が来る前に、ぜひお手入れしておいていただきたいと思い、友の会会員を中心に顧客への宣伝活動も強化しています。一度カビが生えると、後の手入れが面倒になりますので、乾燥剤のシリカゲルを、今のうちに箪笥の中に入れておくなどの工夫をしておかれるとよろしいですよ。
第722号 2013年5月14日「虫」
鶴舞公園では、バラの花が少しずつ咲き始めています。
花といえば、虫はつきものですが、ここ十数年、この公園で、蝶(ちょう)、蜻蛉(トンボ)、バッタ、てんとう虫等を見なくなりました。小学生の子ども達の姿も見かけません。現在の子ども達は、虫を取ったり、野球をしたりとか、外での遊びはやらないのだろうか?『人さらい』が恐い?
昨年、久しぶりに中村区の大門にあるお客様のお宅を訪問した時、その近くにある公園で、異常発生かと思われるくらいの赤トンボの大群を見ました。夕方だったので、『赤とんぼ』の唄のごとく、懐かしく感じました。
花には、やはり、虫がいなくては意味がありません。花の蜜を虫が吸い、その時、花粉がその虫に付き、別の花にその花粉を付ける。いくらきれいな花でも、人が手を加えた作品ばかりでは自然の美しさがない。造花と同じだね。
桜といえば、この時期になると毛虫がたくさんいたものだが、今はそれもいない。消毒の凄まじさなのだろうか?きれいな公園はいいのだが、これもやはり不自然なんです。人の住みやすい環境整備のためとはいえ、虫を知らない都会の子ども達はかわいそう。
TVゲームでしか遊べない子どもは、虫の一生とか、虫の生態とか、これもTVで勉強するのだろうか?『アブラムシ』が、唯一、我々が知り得る最後の虫になるのかな?
そういえば、近ごろは、蟻(あり)も見なくなったなぁー。
第721号 2013年5月10日「挨拶」
『おはようございます』 が言えない
『こんにちは』 が言えない
『いただきます』 が言えない
『ごちそうさまでした』 が言えない
可哀想な子ども
ケンカしても 『ごめんなさい』 が言えない
勉強はできるのに 友達ができない
こんな子どもは 成長する段階で
親からの いっぱいの愛を 受けていない
親に 抱きしめてもらっていない
お父さんやお母さんと 会話ができない
他人には甘えられても 親には甘えられない
–
『それが仕事でしょ!』 とサービスを強要する大人
気配りを要求する人ほど 自分は気配りしない
『お元気ですか?』 の挨拶が言えない
一緒に 酒を飲み交わせない
バカ話ができない
他人の悪口しか言えない
–
『これ キレイだね!可愛い!』
『こんなおいしいクッキー どうやって作るの?』
『お父さん お母さん ありがとう』
『お祖父さん お祖母さん ありがとう』
感謝する大切さを 今 感じてます
第720号 2013年5月7日「神様の言う通り No.5」
何人もの生き神様が、私を見守ってくれている・・・ということを、以前に書いたが、ある日のこと、『社長!今日、またケンカしそうだから、心を落ち着けて、相手を傷つけないように話をしなくてはいけませんよ!』と言われた。
『何を言っとる!わかっとるわ!』と返したものの、何でそんなことがわかるんだ!?今日会う相手が誰なのか知っているから助言してくれたのだろう。私が、相手にわだかまりを抱いていることを知っていて、今日、その人と会い交渉事をするというので、朝一番に釘を刺したということだ。
案の定、意見がぶつかり揉めそうになった。生き神様の朝の『お告げ』を思い出し、ここでケンカになったら、いつもの通りじゃないかと思い直した。一呼吸してから、もう一度話し合った。とりあえずは、いつものような結果にはならなかった。
『相手の方が若かろうが、自分が仕事をもらっている側だろうが、火に油を注ぐような言動はダメです。結果、お互いが損とわかっているのに物別れに終わることになります。だから、年寄りは気を落ち着けて、ゆっくりおだやかに話しなさい。』とまで言ってくる。
お陰で、まずは、今回の交渉事は無事納まった。・・・手を合わせました。
第719号 2013年5月3日「お店紹介 No.4」
今回のお客様は、WEBで商品を検索してから電話をしてこられた。3点ほど気になる訪問着があるということと、他に夏物のおしゃれ着として、小千谷か塩沢等の白地の紬で、自分の好みそうなものをいくつか見せてほしいとのことだった。
今までのデータや経験から、このお客様は、値段についての知識があるだけでなく、商品の質・風合い・柄についても見識のある特に難しい方だということはわかっていた。後日来店され、訪問着は、その3点のうちの1点を選ばれた。おしゃれ着のほうは、そのお客様の購入履歴を基に、メーカーの新作の中から担当者が選び、いつもより少し多めの10点ほどを、お見せできるように取り寄せておいた。『さすがね。よく私の気に入りそうなものを探したわ。反対にどれにしようか迷って困っちゃう。仕方がないわ。これとこれ、2反買っちゃおう!』と大変喜んでくださった。
今までに購入された商品や寸法のデータはすべて保管されており、体型が変われば、その都度確認して更新している。古い品については、サイズ直しをし、常に身体にフィットしてきれいに着装できるようアフターケアもしている。だから、着用ごとに相談してくるお客様もある。『今度のパーティーは政界のパーティーで・・・』などと。商品管理も、店任せの方もある。フォーマルの着物の場合は、その方が安心だ。着用日に、決められたお店または提携の美容院やホテルに行きさえすれば、ヘア・メイク・着付をパーフェクトに仕上げてくれる。便利になった。
第718号 2013年4月30日「問い合わせ No.6」
身長193cm・体重130kgの方が着られる男紋付きもの羽織袴についての問い合わせがあった。というのも、成人式用の振袖を見に来られた方に同伴して来店された方のご主人が外国人で、着物を着たいと言っておられるというのだ。他のレンタル店に聞いてみたら、30万円かかると言われたらしい。『えっ?ちょっと高いがね!一度調べてみますわ。』ということで始まった。
メーカーとの交渉で、多くの問題を解決し、〇〇円でご購入ということになった。サイズが大きいので、肌着や雪駄(せった)など、すべてが別誂(あつら)えになる。でも、気に入っていただけて良かった。これからは、スモールサイズやビッグサイズなど、どんなサイズにも対応できる問屋さん・メーカー探しが重要になる。
そういえば、足袋は29.5~30.0㎝、足首は32cmだという。
思わず、『母さん、利益は出るのか?』
『何を言っとるの。あんたが受けたんでしょ!』
そうだった、俺が熱心に話を聞いたんだった。
『そうだなぁー。お客さんが喜んでくれとるんだで、まぁええがね。』 『う~む、そうだな。』声のトーンが小さくなった。
第717号 2013年4月26日「単衣の魅力」
日々暖かくなってきています。鶴舞公園では、白やピンクや赤のツツジがきれいに咲き誇っています。朝のラジオ体操に行くにも、薄いトレーナーでよくなりました。
そろそろ、着物も単衣を着用してもよい時期がやってきます。本当に着物の好きな方は、単衣が一番きれいとおっしゃいます。私のお客様の中にも、塩沢紬の白地ばかりを着用されていたKさん、小千谷紬のやわらかさがお気に入りだったYさんがいらっしゃいました。一旦好きになると、特定の産地の品や、あるメーカーの品ばかりを結局は選んでしまうということはよくあります。私も毎日着物姿ですが、選り好みが出来るような身分ではないものの、すべりの良い大島紬は大好きです。験(げん)を担(かつ)いで、『この着物には、この角帯を巻くとよく売れる』などと角帯や兵児(へこ)帯を替えて締めています。
盛夏までの一期間、単衣の着物の魅力を十分に堪能していただきたいと願います。ある雑誌社の編集長が、『私は3シーズン単衣よ!』と言って、業界の人に勧めておられましたが、普段は冷暖房の効いた室内で過ごし、移動も車という方なら、そういった考えになるかもしれません。暑い、寒い、湿気の有無など日本人として四季を楽しむ姿勢で考えるなら、季節ごとに、合せ、単衣、夏物の着物を着用することは普通のことと思います。暑い夏は汗をかき、寒い時には着重ねすることで日本人は生きてきたのです。
第716号 2013年4月23日「成人の祝い」
後輩の成人祝いのために、先輩5人(何と女性!)が色違いの無地の紋付羽織袴姿でパーティーを開くという。近ごろの男性の成人式姿も、赤やピンクやブルーに茶色など色とりどりで、遊助(上地雄輔)やプロサッカー選手の清武等のブランド袴もあって楽しい。しかし、これが流行すれば、きもの業界としては有り難く嬉しい。
色違いのお姉さん達にワインをついでもらって、カラオケで盛り上がる。特に、運動系の上下関係の強い絆で結ばれたグループでの最後のパーティーなら、さらに盛り上がるだろう。お互いの記念にもなる。一生の思い出作りだ。
若い方々の企画力というのは、すごいですね。どんな服装で、どんな場所で、どんなパーティーをして祝おうか?二尺袖着物を創作した人もアイデアマン(orアイデアウーマン)だが、今回の、このお祝いパーティーの企画者のヒラメキといったら・・・きっと頭の柔らかな方なのだろう。
第715号 2013年4月19日「お店紹介 No.3」
ある日、新規客が玄関に立った。『ご来店ありがとうございます。初めてのご来店ですのでご登録が必要です。隣のドアを開けていただき、その中にある書面に必要事項をご記入いただくか、口頭で質問にお答えください。なお、当店は完全予約制です。本日は、午後2時からのご入場となりますので、悪しからずご了承くださいませ。』というアナウンスが流れた。続けて、『本日のご予定が合わないようでしたら、後日、ご来店前にお電話をいただければ、その日の空き時間をお知らせいたします。』という案内もあった。初めての来店者は、顧客と一緒に入店するか、紹介カードを事前に登録しておかないと入場できないシステムになっていた。入口は、防犯カメラが監視していて、ドアを破り無理矢理入場しようとすれば、警報機が鳴り、すぐに警察が来る。店内の映像は、常に記録されているので、注文間違いも一切ないシステムだ。店の人間と直接やり取りをしたい場合は、予約時に言っておけば、その時間に係が必ず待機している。洗い張りや仕立て直しの相談、シミ抜き等の場合は、やはり直接依頼するのが一番良い。
商いの方法も進歩し変わる。どんな商売が一番良いのだろう?新作商品の発表も、メーカー発表が直接映像で流れ、本人が着用した姿もすぐ見られる。もちろん契約さえしてあれば、来店しなくても自宅にいながらにして購入が可能な時代になった。便利になったものだ。
第714号 2013年4月16日「4月に入り」
4月に入ると、十日町の平成27年度の新作振袖展示会が各メーカーで始まり、次年度のパンフレットに掲載する柄の選品が始まる。今年も、どんな新作が出てくるのか楽しみだ。早い問屋さんだと、6月初めに、もうパンフレットが出来上がっているところもあり、当店も一部その商品の展開を始める。
新作を小出しにするようになったのか、2~3年前から、いつでも見られるようになったが、やはりメインは秋だ。毎年悩むことは、早くから始める呉服屋さんのパンフ対応だ。一軒の問屋さんしか取り扱っていないのであれば、秋の新作展はなくなる。しかし、やはり今でも主流は秋なので、それに合わせるのが一番だと思う。食べ物と同じで、旬が一番おいしい(?)。
2年前、ポップティーン振袖を正月に販売したことがあった。出遅れたため、その年は枚数が伸びなかったが、当店では人気商品となり、今でもよく売れている。メーカーから提供されたモデル画像の契約期間が終わったので、先日、当店のお客様にモデルになってもらい撮影した。近日中に、DMやウェブサイトに公開予定です。可愛い。良いものは売れる。
昨年の夏前からDM郵送を始めた平成26年成人へのパンフ作りも終盤に近づいた。今頃は、どうしてもプレタレンタル振袖が中心になる。
一生の記念だから、後で見て懐かしく思い出されるアルバム作りもしたい。来年は、きっとどこかの写真館から、動画入りの商品が出てくるだろう。当店でも検討中だ。早いが勝ち(?)商いは迷うことばかりです。