きもの選びは友達探し、あなたの笑顔に癒される by かずまさ

目次はこちら(今までの記事一覧)

第19号 2004年3月12日 「その時思ったこと」

先日、親子で来店されたお客様。結婚が決まり着物は着ないのだが、ご近所廻りの為に訪問着だけは欲しい、ということでした。お話を伺うと5月に着用で1回しか着ないから目立つ品がいい。ショッキングピンク?の様なスカッとしたはっきりとした色・柄の品が着たいのだそうです・・・・・当日、店の品では気に入っていただけませんでした。
その時思ったこと・・・
そういえば、我々呉服屋の目から見るなら、普通訪問着を販売する場合、長く着られる品、四季を感じさせない品ばかり販売しているわけです。
『この品は50才まで着られますヨォー』
『春でも秋でもOK!!です』
婚礼の決まったお客様に20年以上も使用できることを強調すること・・・ちょっと罪じゃない?(どこかのTVの話みたい)
5月なら立夏、生き生きとした緑です。もうすぐ夏物・単衣になろうとする一番気持ちのよい時期。そんなイメージで着物を着たいナァー。そんな色・柄の品を見せてョ!!すすめてョ!!・・・というお客様もいるはずです。大変申し訳なく思いました。

ページの頭に戻る

第18号 2004年3月2日 「昔、【ジャパン アズ No1】っていう本がありましたヨネ!」その4

物の販売をしていると、寸法のことで、たまにトラブルがあります。特に裄丈(後ろ襟ぐりの中央から、肩を通って袖口までの長さ)です。着物をよく着られる人なら当然わかっていただける話なのですが、まず昔の着物の一反の巾は一尺(38cm)~一尺五分ぐらいでした。縫い代を入れたり、上に羽織る道行コート等のことを考えるなら、又身巾のことなどを勘案するなら、せいぜい裄は一尺九寸ぐらいまでです。現在の反物の巾は多少広くにはなっていますが(特に振袖等)洋服のように手首ギリギリまでで仕立てをする事はありません。踊りをされる人などは、特に裄を長く仕立てたりしますが、常に着られる人は袖が邪魔になって遠くの物をとったりする場合に都合が悪いのです。着物は袖プラス裄をトータルで見て着る衣服だからです。特に長い袖であればあるほど、袖が邪魔になるはずです。一週間ぐらい着物を着続けていただけば、私の言っている意味が分かってくれるはずです。皆で毎日着物を着ましょう!!

ページの頭に戻る

第17号 2004年2月19日 「昔、【ジャパン アズ No1】っていう本がありましたヨネ!」その3

さて、現代の衣服の素材としてはどれだけの種類があるだろう。綿、ウール、シルク、麻、テトロン、ポリエステル等々。日本人はあらゆる繊維を使用しています。シルクを日本人ほど気軽に使用している国民はないでしょうし、着物の素材として織り方として、こんなにも複雑多様に使っている国民は少ないだろうと思います。近々では「汗を吸う化学繊維」や「形状記憶の繊維」とか糸自体でも、もうシルクの糸などでは「色のついた糸」(まゆの段階で色がついている)も出来上がりました。日本人の発想、時代の進歩の結果です。さて、色ではどうでしょう?今は化学染料だからどんな色でも出せますが、昔は天然染料でしたから「黄」「茜」とか「藍色(青)」等があり、特に藍色は沢山の色に名前がついているのです。藍色で一番薄い色は、「瓶覗き」と言うのですが、少し見えるか見えないかぐらいの薄い藍色で、反対に黒に近い濃い藍色は「褐色」というそうです。
なんだか日本人って、色にも織にもこだわりがあり、感情の表現がとても豊かで細やかだと思うのです。

ページの頭に戻る

第16号 2004年2月10日 「昔、【ジャパン アズ No1】っていう本がありましたヨネ!」その2

普通、皆さんが生活している時に着ている衣服をチェックした場合、その衣服の柄にどんな柄がありますか?無地、チェック、ストライプ(縞柄)、水玉それだけで90数%にはなると思います。だが、着物の柄から比べるなら、今話した柄はほんの数%にすぎない。日本人の着物の柄作りは無数だ。花柄だけをとらえ、花だけで四季を考えるなら、例えば、「梅にウグイス」という柄は1~2月を表現し、今の季節の少し先の時期の柄をわざわざ作らせて、その日のために着用したという話を聞いた事がある。それを粋だとか言ったりするわけです。沖縄で作られている紅型(びんがた)の小紋等は、やはり南方系の柄がついていて、染め方にも京染めの柄とは違っています。又、加賀友禅なども特徴のある柄作りをしています。日本人はとても繊細で感情が豊かなのです。温度・湿度の差が厳しいからなのかな?地域差もあるし・・・室町時代の300年、江戸時代の260年という長い、安定した時代があったから、こんな豊かな資産が日本人の心の遺産として、残ったのかもしれませんネ。着物を調べるほどありがたく思います。

ページの頭に戻る

第15号 2004年2月3日 「昔、【ジャパン アズ No1】っていう本がありましたヨネ!」その1

着物を着る様になって、初めに気になることは、やはり他人の目だろう。私も初めは人の集まる所に、着物姿で出かける事はにが手だった。別に気にすることはないのに変だよネ。でも、どこにいても着物姿はやはり目立つ様なんだナ。考えれば、前からでも後ろからでもなるほど目立つんだナ。
洋服には、後ろにポイントのついた着用着は少ないが、世界中の民族衣装と比べても、着物は後ろに帯があるので、ポイントが後ろにもあり、そのポイントもすべてが同じではなく、縛り方も振袖等は、華やかな花の様、生花をつけたり、自分では見られない部分のポイント作りは、やはり日本人らしい感性の表現かな?
背もたれのある椅子がある文化の国では、こんな背中の美は作られなかったと思う。喪服や留袖でも、背中心に紋を入れるが、これも「背守り」といって『代々の祖先が貴方を守っていますヨ』と言う意味合いがあるという。紋を入れるということは敵、味方を分けるためであり、その場合、背中に眼があり?背後から攻められない様、自分を守っていただく願いなのです。
なんだか、着物の歴史を調べると着物は奥が深いですネ

ページの頭に戻る

第14号 2004年1月20日 「新春に向けて」

健やかに新年を迎えられたことと思います。
今年も皆様が健康で、ご多幸な年でありますようお祈りいたします。
今年は正月より、晴天続きで大変気持ちの良い冬空で、お正月の初詣や挨拶まわり筆も着物姿をよく見受けられ、とてもうれしく思いました。
もし汚れなど、気にかかる部分がありましたら(特によごれやすい所、衿、袖口、裾、前身ごろ、袖先等)早めのチェックと治療が大切です。(いつもお話している通り、染み抜きは病気と同じと考えて下さい)どんな汚れなのか食べ物か?食べ物なら、ジュース、醤油、ソース、泥ハネ?シルクの着物は動物性繊維です。良い所、悪い所をよく考えて使用してください。
本年もどうぞよろしくご指導下さいませ。

ページの頭に戻る

第13号 2003年12月26日 「お正月」

♪もう、いくつ寝るとお正月♪
♪お正月には凧上げて♪
♪独楽を廻して遊びましょ♪
♪早く来い来いお正月♪
懐かしい唄だけど、現代の子供はテレビゲームに夢中で、そんな遊びはしない。私の子供の頃は、大きな広場や公園でよく今頃になると、凧上げをしたナ。祖父が、高く飛ぶように苦心して凧を作ってくれた・・・
今、この年になって子や孫に何かを教えたり、伝えたりする年齢になって、とりあえず、まず、商いである。『きもの』のことを、お客様に正確に伝えるべきことを、学ばなくてはいけないと思う。
お正月は、着物を着ていただける最大のチャンスの時です。着物を着るときの心がまえは、きれいに着ようとシバリつけるのではなく、きものに慣れようと努力する事を知る事です。
少々みだれてもご愛嬌。座る時、歩く時の研究、裾さばき、袖、衿の直し方研究です。本番のための研究時間だと思えば”気楽に”着られると思いますヨ。
ジッとしていては、きれいには着られませんから、お手伝いなんかも積極的にして下さいヨ。動くほどきれいに着られるようになれるんですから‥‥‥

ページの頭に戻る

第12号 2003年12月15日 「年末のご挨拶」

むすび=結
むすびは日本の美しい形です。
神様にも縁結びの神が多く、おみくじを木々の枝に結ぶように結ぶことは、よく目にする事です。神社のしめ縄、進物にかけられる水引、帯結び、数々の結髪、結納にも結びの字が使われています。
それに婚礼の引出物を風呂敷で包む風習も昔からのご両家がより結ばれるように‥‥‥という意味があるようです。また小指と小指を絡み合わせてする指きりゲンマン、それに大相撲なんかでも結びの一番といわれるように、日本の伝統的な風習や行事に”結ぶ”ことが多いのに改めてお気付きになられると重います。
これらはみんな幸せな未来を願っての心がこもられての形といえるのではないでしょうか。
2003年は、どんな一年でしたでしょうか?
1年を終えるにあたり”結び”の心をこめて‥‥‥‥‥
2004年もよろしくお願い致します。
正直屋 舩橋一正

ページの頭に戻る

第11号 2003年11月21日 「ご主人の誕生日には着物を着よう [男(私)のわがまま?]」

たまには、ご主人にこんな事をしてあげて下さい。
ご主人が朝起きてくる前に、きれいに化粧をして着物を着る。その日は、やはり日本食がいいなぁ。ご飯を炊いて、味噌汁を作って、玉子焼き・・・純古典風がイメージにピッタリ。
さて、起きようかなぁーと主人が・・・
奥様が三つ指ついて『おはようございます』・・・
お笑いのパターンかなぁ-?
男はこんな事、されたいものですよねー。
てれくさそうに『今日は何だ?』「今日は貴方の誕生日でしょ?!!」
とここまでくれば、シメシメ着物が1枚買ってもらえる・・・?
次は、結婚記念日にしてやろう・・・などとネ
<最後に・・・実話ではありません>

ページの頭に戻る

第10号 2003年11月4日 「着物を着て得をした?」

平常の時に着物を毎日着用している人は、やはり少ない。雨の日も、夏の暑い日も、とチェックするとやはり着物は贅沢な衣服(特にシルクの場合)と言えます。
【だから目立つのか?】
不便な衣服でもあります。直線縫いの衣服だから、曲線縫いの洋服のようにピタッと体にフィットしません。きれいに着るには、着慣れるという日々の練習が必要になるのです。
【だから楽しい?】
着物を着る様になって13年にもなると、適当に着用していても『あの人はきもの屋さんだから・・・』ということになって、世間では通ってしまうのです。(何も知らないのに・・・)その他にも着物好きな人から、頂き物(記念の着物)をしたり・・・特にお年を召した方に、かわいがっていただけます。
そんな事が、とてもうれしく思います。
又、きもの屋という専門店の商いをする人間として、『きものを着るという基本に目覚めさせていただいた』ことが、とても得をした様に思うのです。きもの姿で、食事に行けばとても丁寧に大切に扱われます。海外へ行った人などの話しを聞くと、舞い上がってしまいます。
ご自身の動作などを考えてください。自然に、それなりに着物姿に調和しようとしていますでしょ?・・・・・そんなうれしい事が、いっぱいある衣服が『きもの』です。

ページの頭に戻る