きもの選びは友達探し、あなたの笑顔に癒される by かずまさ

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第925号 2018年4月25日「小学生の卒業袴姿」

925最近、小学生の卒業式でも、男女ともに着物姿の子どもたちを多く見かけるようになりました。
その子たちに着物を着てもらおうと、女児なら二尺袖着物、袴にヘア、メイク、着付、さらに写真までつけて安価で提供するお店も出てきました。当店では、大学生と同じ料金で出していましたが、安価なお店に対抗すべく、小学生をターゲットにした価格の見直しを始めたところです。
美容院の先生に話を伺うと、こだわりを持った親御さんは、スマホで写真まで見せて、そのヘアースタイルにしてほしいと注文してくるとのこと。でも、子どもの髪は、カールさせてもすぐ元に戻ってしまい、セットが難しいのだそうです。そういえば、私のように60才も過ぎると、髪の毛自体が細くなり、コシもなくなってきて、伸びてくるとすぐ寝てしまう。シャキッとしているのは短いうちだけ。(ちなみに私の頭はスポーツ刈りです。)若い子たちの髪は元気なのですね。ところが、お母さんにはそういうことがわからない。『手抜きだ!』とクレームをつけてくるのだそうです。
撮影も同じように難しいようです。特に小さい子どもほど、じっとしていない。着物に慣れていないから、まず着せることが大変。ようやく撮影にこじつけたと思ったら、今度はぐずりだす。ポーズをつけるというよりも、可愛いしぐさを狙って写すか、または時間をかけて根気よく撮影するか・・・。記念に残る品だから、こちらもいい加減な仕事は出来ません。
なかなか安価で子どもの着物姿を写真に残すのは難しいようです。ひとこと『ヘアー、写真撮影はお任せになります。特別な場合は別料金をいただきます。』と書き加えることで、難しいお客様対応をするしかないのかな?と思っています。

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第924号 2018年3月26日「体感」

普段何気なく使っているものの中にも、日本らしさを感じるものはたくさんある。例えば、茶碗や湯飲み。カップには取っ手が付いているが、これらには無い。器に直接触れて、その熱かったり冷たかったりの体感温度で、よりおいしく感じることもある。
四季の器は、その見た目で料理を美味しく見せる効果があるが、料理の温度も和食のポイントのひとつだ。温かくて美味しい、冷たくて美味しい、と無意識に口から出てしまう。視覚、嗅覚、味覚と同じように、体で感じる感覚は、触れることで反応する。
暑い夏は、サラッとした麻の繊維を好み、寒い冬は、暖かい毛布や柔らかなムートンのシーツなどを利用する。季節にあわせた素材を選ぶことにより、温度調整はもちろんのこと、体に感じる温度も違ってくる。
暑さをしのぐのに、今はエアコンがあるが、昔は団扇(うちわ)で扇(あお)ぐくらいしかなかった。扇いだところで、夏はやはり暑い。扇いでもらえば多少は涼しいが、日本人は涼しさを感じるように工夫をして、それを楽しんだ。風鈴、流しそうめん、すだれ、扇子、麻のシーツ、水の流れる音を聞いたり爽やかな風にあたる。
着物用語で『風合い』という言葉がある。触れた時の感触が、『優しく』『やわらかく』『サラッと』『あたたかく』という感じを抱く言葉だと思う。天然繊維なら、特にそう感じるだろう。
以前、日本人は『おんぶ』や『抱っこ』が一番上手な民族だという話を聞いたことがある。子育てには、スキンシップが一番必要なことだと思う。温もりは、一生涯忘れない親の愛情だ。

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第923号 2018年2月14日「着物のこと No.11」

92320年も30年も前のものとなると、大抵の物はまず利用しません。機械物なら、動かないかもしれません。洋服で20年後も利用できるのは、サイズが変わっていなければ礼服くらいでしょうか?でも、着物は利用できます。理由は直線縫いだからです。何度でも寸法を変更できます。だから昔は親の着たお古を子どもに、子どもの物を幼児に作り直しました。
衣食住と言いますが、衣は、寒さや暑さをしのぐ為にどうしても必要なものでした。現代のように石油製品はありませんし、綿も絹も中国からの輸入品でした。その後、日本に綿の種子が渡来します。戦国時代以降、安価で作れる綿は、すぐ全国に広がりました。徳川幕府になり戦争がなくなると、米などの作物を安定的に作れるようになりました。戦国時代からの人口の増加は、綿の衣装のお陰もあります。
我々の知る歴史は、公家、武家、寺家の話であって、圧倒的多数の農民の生活は、あまりにも粗末で書物に残せるものではなかったのかもしれません。江戸、明治と庶民は豊かになっていきます。着る物も、何枚も持てるようになりました。直線縫いの作りは、洋服と違い着用しにくいものですが、作り直しが出来るという点では便利なものでした。

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第922号 2018年1月30日「草履(ぞうり)」

足袋にはいろいろなサイズがあることは、ブログやホームページ正直屋縁の中の『毎日着物』足袋のコーナーで紹介している。草履については、自分自身もあまり知識がないので書いていないが、足袋と同じように大きさや型、中芯にも種類がある。カジュアル用、夏用とか、サイズではS~3L、フォーマル用別誂え、巾広で小判型、背の低い方用は2枚、3枚芯を入れる、とか。以前に比べれば鼻緒も太くなり、靴擦れしにくくなった。素材では、ワニ、ヘビ、トカゲ等の動物や着物の生地、エナメル等。振袖のセット用は合皮が多い。
昔は、着物の残布で草履を作ったものだ。着物と草履・バッグをお揃いにすれば、とてもオシャレでよかった。ところが、最近は若い方の身長が伸び、用尺が取れなくなった。たとえ取れたとしても、『お端折り(おはしょり)』の中に入れてしまう。そうしておけば、次に洗い張りをした時に、身丈を長くしたいと思ったら、そうすることができるからだ。昔の着物通は、いろいろなオシャレを楽しんだ。私は、幸いなことに、そんな時代も着物屋として商いをさせていただいた。ありがたく思う。
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※『お端折り(おはしょり)』
身丈より長い部分を腰のところで紐でたくし上げて締める、そのたくし上げた部分のこと

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第921号 2018年1月3日「謹賀新年」

921謹賀新年
♪~
言っているいる
お持ちなさいな
いつでも夢を
いつでも夢を
♪~
「おいっ! あの娘 誰だ?」
「○○ちゃん だがや!」
「どえりゃあ カワエエがやぁー!」
・・・
成人式のヒ・ト・コ・マ
今年も良い年でありますように

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第920号 2017年12月26日「着物のこと No.10」

着物に関する仕事を手伝い始めて47年になる。40歳になった時から、営業日は毎日着物を着用している。お茶・お花・日本舞踊・民謡・能・詩吟・琴・三味線など、着物から連想する習い事はいろいろあるが、自分は一切やってこなかった。
老舗の着物屋さんの子どもなら、特にそれが女の子であればなおさら習っている子は多い。私の妹も習っていたが、お茶やお花は、花嫁修業の一環として、一般のご家庭でも習わせているところはあった。今でも習っている人は多いようだ。
昔と今とで違うのは、昔は着物着用でお稽古したものだが、今は洋服姿のまま、着物を着ているという想定で行う。当然、お茶会当日は着物姿となる。粗相をするわけです。着物は、着慣れていないと歩くのも所作もうまくいかない。洋服ならうまくできても、本番ではいつもと違う。茶を点(た)てる時に間違うと困ったことになる。茶道は先生の真似をすることから始まるわけだが、先生も着姿でないと、もう茶道どころではない。
勝手なことを書きましたが、お茶は着物姿でお楽しみください。

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第919号 2017年11月25日「元気な専門店」

919着物業界に入って44年になる。丁稚(でっち)奉公の3年間は、まだ着物がよく売れた時代で、着用者もたくさんあった。
私が奉公した会社は、商店街やスーパーなどのショッピングセンターに出店していて、値段・量・陳列に気配りした客待ち商法だった。そして毎年のように新規出店を繰り返していた。
一方、実家のほうは、店の立地が悪く、番頭たちが毎日車で外回りをする外商だったが、私が戻った頃は、着物組合による催事販売が主となっていた。前払い式証票による友の会組織を形成し、日々、その集金とケアで顧客を増やしていった。その他のサービスとしては、着付教室の運営、招待旅行や観劇会を行った。お客様には、購入した着物を着用して参加してもらい、楽しんでいただいた。
親父が平成9年に亡くなった。その頃から、世の中が少しずつ変わっていった。カジュアル品の売上が減った。洋服も含めた支出が減り、人々は教育費やレジャー費にお金を使うようになっていった。
平成15年から17年、番頭たちが次々と定年退職を迎えて店を去った頃、残った従業員は新人ばかりで、商品知識が乏しく、振袖中心の店にするしかなかった。
平成16年には私の緑内障が悪化し、車の運転が出来なくなった。そのため、平成12年頃から始めたITを本格化した。
それまでは、何社ものメーカーのパンフレットを利用してきたが、今後のことを考え、オリジナルブックを制作し、高級・ブランド・レンタル振袖を主軸に、男性成人式スタイルや女袴卒業式スタイルも紹介。東海地方の情報誌『月刊なごや』も利用し、七五三・お宮参り・カジュアル着物等の宣伝をし、少しずつ商品アイテムを広げていきたいと考えている。
振袖を主にした頃から始めた、ヘア・メイク・着付・前撮りを店内で行うという従業員も手伝ってのサービスは、お客様にも好評なので続けていきたい。
『元気な専門店』とは?・・・それは、いろいろチャレンジする店がそうなのだと思う。成人年齢を18歳に引き下げるという話、個人情報保護に絡む名簿利用の問題点など、頭を悩ますことはいろいろあるが、今まで何とか乗り越えてきた。これからも、まずはチャレンジすることに重点を置きたい。

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第918号 2017年10月27日「ボヤキ No.3」

常着として着物を着ない時代になって久しい。今でも着用されているのは、茶道や民謡等の習い事をしている方くらい。一般の方が着る機会といえば、冠婚葬祭くらいだろう。そうなると、一度着用してから次に着用するまでの期間が開くことが多いわけだ。
外出着と常着を分ける習慣があった頃は、その時々で、シミ抜き等の始末をしてから箪笥(たんす)に収納したものだが、現代は、いつでも外出着となるわけで、着物のお手入れをまったく知らないし、わからないのも当然だ。
相談できる着物屋がある方は、まだ対応が速いが、そうでない方だと、着用してから何年も経った着物をクリーニングしてほしいと持ち込まれる。着るのも初心者だから、結構汚していて、もうシミだらけ。おまけにカビまで生えているものを、『綺麗にしてほしい、それも安価で』と言われる。困ったものです。
汚れは、病と同じで早期発見、早期治療が大切なのです。ただ、夏の浴衣や冬のウールは安価なクリーニング店で、ポリエステルや麻ならご自宅で、というように素材によっては手軽に洗濯することも可能です。
夏に浴衣を着たことから着物好きになる若い方が少しずつ増えているとか。着物の楽しみ方を本で勉強するのもいい。着物屋さんで教えてもらうのもいい。まずは着慣れる、日々着ることです。

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第917号 2017年10月17日「着物のこと No.9」

917当店には、子役をしているお客様がある。東京・名古屋・大阪の劇場に出演されているというその子の身長は130センチくらい。小物を買いに来店された。
130~140センチとなると、肌着も既製品がない。それならば別誂(あつら)えに・・・としたいところだが、そう簡単な話ではない。ガーゼ生地の扱いに慣れた人なら簡単に縫うことができても、そうでない人にとっては難しい作業なのだ。ミシンが走らないらしい。金額においても、既製品なら安く済む。海外で作れば、ビックリするような安価で出来る。
着物の仕立も海外仕立が多くなった。購入の方の仕立は国内で行うが、レンタル品等は海外に出すことが多くなった。日数はかかるが、別誂えでもきれいに仕上がってくる。誰が縫ってくれたかなんて、商品を見てもわからない。リフォームなどの難しい注文の場合でも、特急以外なら、これでいい。まだしばらくは、こんな感じで時代は進んでいくのだろう。
しかし、着物好きや着物を常に着用されている方からの注文に対応できなくなってきた。単に、私の勉強不足のせいなのかもしれないが、申し訳なく思う。

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第916号 2017年9月26日「今どきの商い No.6」

スピード化の時代と言われて久しい。
ある時、荷物を受けつけてから1時間以内に届けるサービスを始めた運送屋さんが現れた、というニュースをテレビで見た。その品をすぐに使用したい人にはとても便利。うまく機能すれば在庫を持つ必要がなくなる。多くの運送業者がやってくれれば、不良在庫を抑えることができて有り難いが、昨今の人手不足の問題もあり、なかなか簡単にはいかないだろう。
急激にネット通販が普及し、当店でも封筒やコピー用紙など、事務用品の購入に時々利用している。数をまとめて注文すれば安価になるし、値段もわざわざ交渉することもない。
当店も、ネット販売にもっと力を入れて売上を伸ばしたいところだが、中小企業にとっては厳しいものがある。大手のように幅広くは出来ない。
『着物』は、染めのこと、生地のこと、ブランドのことなど、着物のことをあまりご存知ない方にとっては難しいことだらけ。何より高価であることから、ネットで購入しようと思われる方は少ない。もちろん、ネット注文も時々あるが、安価な品を選ばれる方が多い。仕方のないことだと思っている。だからこそ、我々は、お客様にお店に足を運んでいただいて、直接やり取りをして信頼していただくという顔の見える商いをしている。
ネット販売に不利な分、いろいろな情報を得るために、良い取引先、広告会社、同業他社とのお付き合いは欠かせない。それと、お客様のご意見に耳を傾けることも。こうして集めたデータを研究し、どこまで生かすことができるかがカギになる。とにかく知恵を絞るしかないかな?

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