きもの選びは友達探し、あなたの笑顔に癒される by かずまさ

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第584号 2011年12月2日「賀状書き」

もう12月。一年が過ぎるのが早く感じられるのは歳のせいか?今ごろは、毎日、年賀状書きに追われている。また、訃報のハガキをいただく時期でもある。今年もお世話になった方々が永眠された。ハガキをいただき大変悲しく思った方もあった。相手は特に気にされていないお付き合いでも、私にとってはその方との出会いや会話がとても印象深く心に残るものであったりする。そんな方からはお知らせのない場合が多い。人知れず密かに涙すればよい。思い出の言葉は私だけのものだから。12月の第一週は、時にそんな方々が多い・・・宇田川先生、市村君。年賀状書きをしながら、ふと昔の会話を思い出しながら、笑ったり、しんみりしたり。歳をとるということは残務書類を片付けることと同じだ。急ぐ必要もないから、少しずつ片付ければいい。時には賀状にひとこと書き記す。俺といなくなった人との会話かな・・・?

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第583号 2011年11月29日「羽織紐」

近ごろは、着物を着るというと式服が多く、会場となるホテルや式場で着せてもらい、式が終われば脱いで帰宅することになる。そうなると、コートや羽織・雨コート類も必要なくなるわけで、売り上げのこともさることながら、着姿を街で見かけることが少なくなり、普段着用している方たちも世間体を気にして着用回数が減るという悪循環が生じる。その点、民謡をされる方は家から着用され、そして人前で踊ることで着物の宣伝もしてくださっているのでありがたいことです。そんな方々に少しでも協力できればと常々考えています。
先日、和合店にて羽織の紐(ひも)が続けて2本売れ、ちょっと驚いた。1本目は紬(つむぎ)の羽織で、2本目はお祝い用の黒絵羽織に利用されるということだった。汚れたのか、派手になったのか、失くしたのか、その理由はお聞きしなかったが、羽織紐を購入されるということは羽織を利用されているということで、とにかくそれが嬉しかった。
お正月まであとわずか。昔なら今ごろは、どんな装いでお正月を迎えよう、初詣は?初釜は?初出勤は?と考え楽しんだものだ。今でもそんな方もあろうかとは思うが、着物好きなお客様との会話がもっと楽しく続けられるレベルの業界人でありたいと思う。

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第582号 2011年11月22日「名古屋友禅 No.3」

582名古屋友禅をHPで紹介したくて、自らメーカーさんに話を聞いたり、職人さんのところへ出向いたり、情報誌の方にも取材をしていただいたりして何とか載せることができた。愛知県観光協会のサイトにも載せてもらえることになったのだが、そちらは文字数などの制限があるので書き足らないこともある。そんな時は、当店のサイトへ飛んできてもらえば詳しく説明しているので利用していただければと思う。そのためにも、今後は当店のページの内容を深くしていかなくてはと考えている。特に、色付け体験などのイベント情報をもっと発信して名古屋友禅を名古屋市民、愛知県民に広く知ってもらいたいですね。愛知というのは、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康を生み出した土地柄から、その時代の衣食住を調べる上では最高の品が揃っていると思うのです。『渋さ』が特長の名古屋友禅は江戸後期の産物。まだ知らないことだらけなので、職人さんの話をよく聞き、徳川美術館等も見学してもっと見識を深めたいと思う。

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第581号 2011年11月18日「豆腐売り」

昔は、自転車に豆腐を積んで、ピィーポォーピィーポォーと笛を鳴らしながら販売する光景があちこちで見られた。当店のお客様の中にも何軒かあり、古くからの製法で作られた豆腐はとても美味しかった。豆腐作りで残ったカス(?)なる『おから』もとても美味しかった。近ごろは、豆腐も工場で大量生産されるようになり、中小の豆腐屋さんは姿を消してずいぶん少なくなった。和合店へ行くようになってしばらくした頃、あの懐かしい笛の音を聞き、思わず従業員に買いに行かせた。豆腐のほかに弁当、ケーキ、ヨーグルト等を軽自動車に積んで、和合地区は水曜日だけ回っているという。昔の味とは違ったが、工場で作られてスーパーに並んでいるような品ともまた違う味がした。和合店は第2・3水曜は定休日なので、毎週買うことができないのは残念だが、あの笛の音を聞き、味わう豆腐もたまにはいい。

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第580号 2011年11月15日「東日本大震災 No.8」

3月11日の震災の日から8ヶ月が過ぎた。19,488人(11/10現在)の方々が永眠し、現在もなお捜索中だという。悲しいことは早く忘れ去りたいのに、テレビ報道を見ていると原発のほうも進展なく腹立たしく思う。
今年もあと40数日で終わる。自然災害だけではなく、あってはならない事件がたくさんあった。平和社会の中で人の絆が失われた。親が教えなくてはならない子どもへの躾(しつけ)が高等教育の名のもとでなされていない結果かもしれない。『親が皆悪いんだ』とつくづく感じる。掃除をする、食事を作る、裁縫をする、洗濯をする、は成人女性になれば当たり前のことだった。でも今は、そんな時間があったら『勉強しなさい!』としつけられる。過去に入社した従業員でも、掃除の下手な子たちが多かった。
このたびの震災で、若者のボランティアの多さにびっくりした。彼らはきっと色々なことを学んだことだろう。生活する中で、頭が良くて、少しでも早く正確に行動することは大切だ。しかし、頭の良いことを利用し、人をダマしたり悪事を働いたりすることはあってはならない。生活保護を受けて遊んでいる大人がたくさんいる。我々の年代が、このことに気づき直していかなくてはいけない。甘えた大人たちをのさばらせ、文句を言えば働かなくても生きていける世の中は異常だ。

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第579号 2011年11月11日「従業員教育」

商いを40年やっていても、部下を育てることはとても難しいと感じる。商売に於ける接客については、いつの時代もそんなに変化はなく、基本はお客様の望んでいる品を勧めればよいのだ。だが、お客様ごとにご要望が違うのだから、当然、応対の仕方も変えなくてはいけない。ところが、何度注意してもその判断ができない従業員もいて、レベルの低さに悲しくなる。従業員が悪いということは、トップが悪いということ。勉強を促し、レベルアップのための資料を探し教育する。でも、どんなにこちらが頑張っても本人次第。自ら反省し、努力して覚える気持ちになればプロの営業マンになれる。だが、そんな人は少ない。我が店もため息ばかりついている。私は、この問題ばかりの現状に困っている。途中入社の人は前の会社の社風の良い点を強調する。心の中で、『そんな良い会社をなぜ辞めたんだ』と思う。なぜ、今、成長しようと思わないのだ!自問自答していたら、『社長、コーヒー入りましたー!』・・・美味しいがや。良いところもある。他人の悪いところばかり見とったらいかんなぁー。私の教育から始めないかんがや。

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第578号 2011年11月8日「和装肌着」

季節はいつの間にか秋だがネ。今くらいの時期は半天を着ている。袖がないから楽だが、きちんとしたところへ行く時には羽織に替える。
先日、ある会合で和装用ショーツの提案があった。成人式当日に生理になってしまった時用のショーツだ。それも、下着のラインが出ないよう工夫された商品。

当店では、介護用品も扱っていて、尿モレショーツも扱っているのだが、どうしても若い女性向きではなくゴツイわけです。もっとスマートで可愛くて、それでもって便利なショーツを!ということで業者が持ち込んで皆さんの意見を聞いておられた。
洋装からの発想だから、ラインがどうの、生地の風合いがどうの、厚さがどうのと色々な意見が出た。我々男達に比べ、やはり女性のほうは自身が経験してきたことなので話の内容が深い。それにしても、我が業界の肌着関係は底が浅い。S、M、L、LLのサイズの違いだけで色の違いがあるわけでもなく、体型の補整は現在もタオル。変わらないことは良いことかもしれないが、現代の女性はそんな品で満足しているわけないよなぁー、とつくづく思った。業者はどう考えたか?しばらく様子を見ることにしよう。

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第577号 2011年11月4日「やおやの女将さん No.2」

『社長の徒然草』第250号で紹介した、東区にある『やおやの女将』の店を久しぶりにのぞいてみた。いるいる、相変わらず元気な女将だ。『この人でこの店はもっているんだなぁ』と思う。自分の店の品をよく知っている。やおやといっても魚も肉も売っているスーパーのような店なのだが、女将さんが誰かれと商品の説明をし、良いポイントや調理法まで教える。とにかくよくしゃべる。文句を言われると、『買わんでもいいよ!』とハッキリ言う。満足した品、安いと思った品、美味しいと感じた品だけ買ってくれればいいと言う。朝、来店された客に平気で『昼からもおいで!』と言う。自分の店の品によほど自信があるんだなぁ。母さんが買い物をしている合間に女将の話を聞いていた。『男は遊ばせなアカン。遊ばせることで大きくなる!』などど訳のわからん話をしている。見渡すとけっこう男性客もいるんだ。聞いた男達は喜ぶだろうね。何年かぶりで話もした。きちんと覚えておられた。改めて惚れ直した。この店はこの女将の話を聞きに来店されている。そんな客がいる気がした。元気をくれてありがとう。

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第576号 2011年11月1日「祖母 No.2」

母のことはHPによく書いているが、祖母のことは遠回しの書き方ばかりしてきた。
甘えん坊のわがままで育ってきたお祖母ちゃん子の私。祖母とは、夜、こたつを囲んでテレビを見ながらよく話をした。祖父の悪口が多かった。自然に祖父が嫌いになった。祖父の葬式の日に泣く姿を見た時、『あれだけ悪口を言っていたのに・・・』と呆れた。『だって、そうがだね』そのものだと思った。何か言い訳が必要なんだろう。大人になってわかった。
女性が先に死ぬと男は追従するが、反対だと女性は元気(?)になる。それは確かだと思った。祖父正直は名前通りの一辺倒な人間だった。私も年齢だけは近づいている。『ガンコだから・・・』とよく言われる。このたび、Imagine縁のコーナーに私の似顔絵を書いてもらったら、『お父さんにそっくりだがね!似すぎているからHPには載せれんわぁー!』とまたまた『だって、そうだがね』の二代目がおっしゃる。
お袋の口ぐせは『難しい、難しい』だったけど『だって、そうだがね』は奥が深い。よく噛みしめ味わう言葉だ。

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第575号 2011年10月28日「着付け教室」

普段、着付けでお世話になっている成人式着付の元は『井川着付け教室』であり、親父の頃からのお付き合いだから40数年になる。美容もその娘さんにお願いしているので、親子二代にわたり着物販売のアフターフォローのお手伝いをしていただいていることになる。
以前、正直屋でも『着付け教室』を開いていた。たくさんの生徒さんがいて、先生になられた方もたくさんいた。いつかまた復活できればと願っている。
真から着物好きの方は、日常も着用されていて、やはり着姿もきれいだし動作もスマート。着物は『慣れ』だな、とつくづく感じる。民謡をされている方には着物好きの方が多く、自分のお客様にもいるが、そんな方でもそのグループの集まりに行くと別世界に来た気分になられるそうだ。近ごろは本当に日々着用されている方が少なくなったので、そんな話を聞くととても嬉しく思う。
来年度より学校教育の一環で、『着付け』が取り上げられると聞いた。まずは、中学一年生の男女が対象らしいが、日本人として一人でも着物好きが増えるならもっと嬉しいことだ。

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