きもの選びは友達探し、あなたの笑顔に癒される by かずまさ

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第495号 2010年12月27日「早く来い来いお正月」

♪もう いくつ寝ると お正月♪
今年も紅白歌合戦のメンバーも決定し、もう正月だネ。やり残したことありませんか?
広告担当の私は、今年最後のDMや情報誌の広告に頭をひねって作ってます。正直屋は、今年創業86年でした。平成23年は当然創業87年になるのですが、そんな当然のチェックを見落としてしまう。年に一度のチェックポイントであって、毎月はチェックする必要のないポイントだからです。でも重要なポイントです。
今年から来年に向けて替えなくてはいけないもの、たくさんありますネ・・・カレンダーくらいか?正月といっても生活習慣が変わるわけでもなく、毎日おいしいものは食べているし、休日が続くというだけで、TVを見て寝て過ごすか・・・。そこで提案、『お正月は着物を着用しましょう!』どうせ時間はいっぱいあるんだから、着物を着て初詣。気分が変わっていいですヨォー。ぜひどうぞ!

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第494号 2010年12月24日「前撮り No.8」

今年も何件かの前撮りを正直屋各店でさせていただきました。
今年、私が一番印象に残った出来事。成人式には出席しないお嬢様が、家族写真だけは記念に残しておきたいということで振袖をレンタルされた。
撮影日、ご両親、お姉さんとその娘さんと写真撮りをされ、お祖父さん、お祖母さんを待った。『なぜ一緒に来店されないのだろう?』理由はお祖父さんが足が悪いからだった。和合店も2階での撮影だから、階段を上っていただくことになる。お父さんとお祖母さんが手伝ってやっとの思いで上がっていただき、着物に着替えて写真撮り。やはり動きが遅い。少しずつ皆を待たせることになるのだが、ひとりも愚痴を言わない。こういう時は、大抵誰かが何か言うものだが、幼い女の子もぐずるわけでもなく、皆がお祖父さんを温かく待つ。『笑ってぇー!』の声で皆がカメラに向かう。
すばらしい一日だった。きっと楽しい写真が記念として残るだろう。

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第493号 2010年12月21日「シルクの掛ふとん No.2」

シルクの真綿は、手挽きで綿を伸ばして重ねて作る。といってもわかる人は少ないだろう。メン綿も、真綿を伸ばして挽いた上にメン綿を並べて作ったものだ。現在もそうやって作っているのは、昔からのふとん専門店くらいで、ほとんどが工場での仕事。羽毛ふとんを作るのと同じ作業であろう。さて、現在でも、探せば名古屋でも仕事をされている方はあると思うのだが、残念ながら私の知り合いや取引先では見つからなかった。仕方がなく真綿を購入した福島県の業者に綿を送り返し、仕立をお願いすることにした。1枚はシルクの表布の掛ふとん、もう1枚は綿(メン)の表布の掛ふとん。幸いにも二通りのふとんの注文があり、両方の仕上がり品を見られることになりラッキーだと思う。

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第492号 2010年12月17日「覚え書き No.3」

真綿(まわた)
綿は、昔はすべて真綿、つまりシルクだったそうです。
現在は、『綿』と書くと誰もがTシャツのメンを想像すると思う。それは、それほどまでにメンは品質が良く、安価で真綿(シルク)に似ているからなのだろう。真綿の手触りは、さすがにやわらかくてやさしい。繊維の中で一番早く水分を吸い取り、外に発散する。サラッと爽やかなところから、肌につける品として最適だ。
天の虫と書く蚕(かいこ)。蚕の一生は57日ほどで、幼虫は3ミリほど。桑の葉を食べ続けることで4回も脱皮して急成長し、糸を吐く頃には一万倍もの体重になるそうです。1,500メートルもの糸をおよそ二昼夜吐き続け、繭(まゆ)を作ります。
ジンギスカンの蒙古軍が寒い北辺の土地を自由に駆け巡り世界を制覇できたのは、馬とキルティングされた分厚い真綿の綿甲冑(かっちゅう)のおかげだと言われているそうです。

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第491号 2010年12月14日「シルクの掛ふとん」

10数年ぶりに絹の掛ふとんが売れた。
ふとんといえば、少なくとも20年くらい前までは、男女敷ふとん各1枚、掛ふとん各2枚、座ぶとん夏・冬各5枚ずつの婚礼ふとんセットなるものがよく売れた。その頃までは、電化製品や箪笥(たんす)一式、ふとん、着物・洋服類一式の豪華お披露目品をトラックに満載して、結婚が決まった家庭から嫁ぎ先へと運び出されていたものだ。『ああ、あそこのお嬢様 結婚が決まったんだ・・・』と誰からも祝福された。
話を絹の掛ふとんに戻すが、メン綿ではなく真綿(シルク)、それも日本製がよいと言われ困った。現在、絹は99%が海外の品だからです。どこに電話しても扱っていない。いつものパターンでPR現代という雑誌社に聞くことにした。2日後返事があり、本場結城紬に利用するという真綿を探し当てた。どんなふとんになるか楽しみだ。

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第490号 2010年12月6日「鶴舞公園」

12月に入り、夜明けの時間も現在は午前6時45分くらいになり、鶴舞公園での朝のラジオ体操も真っ暗な中での体操になる。目の悪い私にとっては少し苦だが、毎日歩いている道なので、とりあえず今のところは参加している。
今頃は公園も紅葉がきれいだ。銀杏(いちょう)の葉も落ち、黄金色に変化した道を日々歩く。12月だから寒いのは当然なのだが、ギンナンの落ちている場所はその自然の匂いもし、気持ちの良い朝だ。草木の匂いは、長年この公園で遊んできた自分をノスタルジックな気持ちにさせてくれる。
今年もあとわずか・・・だが、やることは山ほどある。年賀状の準備もまだ出来ていない。困った、困った。

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第489号 2010年11月30日「お客様 No.2」

『横田尚子』さんのニット商品を10年くらい前に購入されたお客様が着用しようと頭を入れたら『プチッ!』。どこかが破れたか?切れたか?・・・直してほしいと持参された。
さて、どこの取引先だったか?名古屋は倒産等でリタイアされた問屋が多くて困る。とりあえず、思い浮かぶ問屋に電話してみる。『扱っていない』『やめた』・・・そして、何軒目かでやっとメーカーを知ることが出来た。その問屋でも、すでに担当していた部署はなくなっていたが、当時の担当者と連絡を取ることができたのだ。
メーカーに送ったところ、直しということで横田尚子さんが直接対応してくださることになった。後日、どんな状態で戻ってくるのか楽しみです。問屋に電話した時、電話に出た交換手が偶然その担当者を覚えていたことから始まったアフターケアの件、取り次いでくれたことに感謝しています。

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第488号 2010年11月26日「ナビゲーション No.11」

はフリーダイヤルのマークだ。正直屋にも2本つけてある。若いお客様からの電話はフリーダイヤルにかかることが多くなった。当然、宣伝もフリーダイヤルが多くなった。
そうなると、今までの電話はどうなるのかな?こんなことできないかな?例えば、特定の人だけは電話代をタダにするとか・・・。お客様からの電話の場合、2度目からはタダになるとか。反対に商売屋さんからの宣伝の電話は『イヤヨ』なんだけど、ボタン1つで記録も消去もできる。こんなのはコンピューター時代なんだから簡単にできると思う。
現在の電話をなくさないで、例えば、2度目にお客様がお店に電話された時に『日頃は大変お世話になっております。〇〇様、しばらくお待ちください。担当の者がすぐ出ます。』とか、定休日の場合なら『〇〇様、いつも大変ご贔屓(ひいき)に預かりありがとうございます。あいにく本日は定休日になっています。後ほどこちらからお電話させていただきます。』とかのサービスはいかが?便利でしょ?

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第487号 2010年11月22日 「おつづきいかがですか? No.10」

きものの季節がやってきて、色々な注文をいただくようになり、毎定休日にはお母さんと問屋さんに伺うようになりました。
どこの問屋さんでも緑茶やコーヒーを出されるのですが、飲んでおいしく感じるお店はやはり気分も良いものです。
しかし、中には白湯(さゆ)のようなお茶を出されるお店もあり、『ああ、この人は自分の入れた茶を飲んだことのない人なんだ・・・わからないんだネ(ちょっとイヤミ)』。
緑茶を入れるのは難しいですネ。という正直屋も、入れる従業員によって『マズイ!』と感じる場合も多々あり、これではダメだと思い『昆布茶』にしました。
3センチ角くらいの塩昆布を2枚ほど湯飲みに入れ、お湯を注ぐだけ。これなら誰が入れても味は同じです。ちょっとさびしい気持ちはありますが仕方ありません。
おいしい緑茶はお母さんに入れてもらおう・・・『おつづきいかがですか?』

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第486号 2010年11月19日「お客様」

40年間きもの屋の商いに従事し、たくさんのお客様に出会いました。その中に、毎年名入れタオルをご注文くださったお客様がありました。年末の挨拶の折に配るとのことで、社名を入れ、タオルの重さも指定され、番頭がいる頃から何年にもわたって注文されていました。番頭から引き継いで私が毎年伺うようになったのですが、商品の納品時、数のチェックは当たり前ですが、熨斗(のし)紙のチェック、タオルの印刷のチェック、そしてタオルを10本ほど秤(はかり)にかけて重量のチェックをされる・・・厳しいのです。当然、当店がすべきチェックなのですが、さすが重量についてはメーカーを信用しているからしていません。お客様曰く、『何グラムから何グラムまでが注文した品の範囲』というのなら、その一番重い品でお願いするというのです。どの品をチェックしても、たいがいその重さの軽いほうの品となるわけで、そうなると1ランク上の品を納品しなくてはいけなくなります。値段の話の際は、見本タオルと詳細な値段の見積もりを持参するのですが、そこでも厳しくチェックされます。当然のことなのですが、大変勉強になります。タオルの種類、染色方法など、その都度教えをいただき感心しました。現在は他の品に替えられましたが、懐かしい思い出のひとつです。

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