第917号 2017年10月17日「着物のこと No.9」

当店には、子役をしているお客様がある。東京・名古屋・大阪の劇場に出演されているというその子の身長は130センチくらい。小物を買いに来店された。
130~140センチとなると、肌着も既製品がない。それならば別誂(あつら)えに・・・としたいところだが、そう簡単な話ではない。ガーゼ生地の扱いに慣れた人なら簡単に縫うことができても、そうでない人にとっては難しい作業なのだ。ミシンが走らないらしい。金額においても、既製品なら安く済む。海外で作れば、ビックリするような安価で出来る。
着物の仕立も海外仕立が多くなった。購入の方の仕立は国内で行うが、レンタル品等は海外に出すことが多くなった。日数はかかるが、別誂えでもきれいに仕上がってくる。誰が縫ってくれたかなんて、商品を見てもわからない。リフォームなどの難しい注文の場合でも、特急以外なら、これでいい。まだしばらくは、こんな感じで時代は進んでいくのだろう。
しかし、着物好きや着物を常に着用されている方からの注文に対応できなくなってきた。単に、私の勉強不足のせいなのかもしれないが、申し訳なく思う。

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