第894号 2016年3月23日「風呂敷」

風呂敷の生地は、綿、絹、ナイロンとあるが、我々の店では綿をよく利用する。仕上がった着物をお客様のところに納品する際、汚れないように風呂敷に包んで持参する。
昔は、婚礼布団(ふとん)を包むのに、五巾や六巾の大きな風呂敷を利用したこともあったが、現在は、結婚の折に婚礼布団を持参される方自体少なくなったので、そのような風呂敷を使うこともなくなった。
ところで、風呂敷の包み型をご存知だろうか?昔は、祝い酒やすいかなどは包んでお渡ししたものだ。包み方に工夫があり、仕上がるとちょっとオシャレ。現在は、ほとんどショッピング袋に取って代わった。
我々も、風呂敷をたまに販売するが、包み型は知らない。45年商売をしてきて、聞かれたこともなかったが、最近、テレビで紹介されていたらしい。日本の昔のものが見直されているようだ。何度でも利用できるし、使用しない時はたたんでおけばスペースも取らない。風呂敷に何かを包んで着物を着て訪問すれば、まったく絵になるシーンだ。早速、DVDを買って見てみたが、なかなか覚えるのは大変そうだ。
以前、当店に奉公に来ていた従業員で、今は結納に関する仕事をされている人がいる。あの結納品に付けるのし紙にもいろいろな折り方があるのだそうだ。
日本人は布や紙にいろいろな工夫を施して利用してきた。機会あるごとに、そんな伝統ある包み方を調べてみるのもおもしろい。

ページの頭に戻る