第608号 2012年3月9日「昔の話-私のこと No.2」

新規訪問をするようになって半年が過ぎた頃、本店店長(番頭)の出店計画と第一番頭の暖簾(のれん)分けが決まった。自分が本店店長になった。そして、その年の末には女房が入社した。
番頭の客をほとんど譲り受け、お客様廻りをした。『お客様をお守りしていれば番頭の70%の数字はできる。あと30%は新規で作れ』と言われた。『何も知らない自分に何ができるか・・・』と思ったが、意地だけで外回りをした。本店の番頭夫婦で全店の数字の6割以上販売していた。番頭のエピソードはいくらでもある。
ある日、お客様から『今度の日曜日にお茶会があるのだけれど、何を着ていったらいい?』という電話があった。番頭なら、すかさず『(時期)に購入してもらった〇色の訪問着と(時期)に購入してもらった袋帯に小物は〇〇を』と答えただろう。でも、私は何も答えられなかった。ついでにその商品の仕入先は?原価は?・・・すべてスラスラと答えられるスーパーマンの番頭だったのです。そんなことは私にはできない。

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