第820号 2014年6月10日「番頭 No.6」

我々夫婦は、番頭に、よく注意された、というより叱られた。酒にからんだことが多かった。当然、女房より、私のほうが叱られた。
女房は、一度だけ、招待旅行での宴会後、お客様がお帰りになるというのに、玄関先で寝てしまい、こっぴどく叱られた。私は、若い女性従業員にからんで叱られた。また、出産のため女房が同行していなかった、ある年の招待旅行では、夜中に、女房のお客様が、風呂場で転んで病院に運ばれた。宴会後、部屋に戻って眠り込んでしまっていた私は、そのことを、朝、知らされた。
こんな時の番頭の決まり文句は、『自分の意識がなくなるような酒の飲み方はするな!』だった。お客様を接待する側の人間は、どんな事故が起きても対応できるように、自分をセーブし、あらゆる場面を想定して、目配りしていなくてはいけないというのだ。わかってはいるものの、ついつい飲みすぎて、よく注意された。
旅行先でも、いろいろな出来事はあったが、幸い、取り返しのつかないような事件は聞いていない。

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