第787号 2014年2月7日「足袋」

90歳のおばあちゃんから、『ベッチンのエンジの足袋が欲しい。』と言われたお嫁さんが、当店に訪れた。
当然、店に在庫は無い。現在、店の人間で、そんな足袋があることを知っているのは、私と女房くらいだろう。
以前、小紋の生地を使用した、オシャレな別誂(あつら)えの足袋を作る、というキャンペーンをしたこともあった。白のネル裏の足袋すら知らない若い子たちに、そんな遠い過去の話をしても、通じるわけがない。
昔は、着物と同じように、足袋も四季に応じて替えたし、普段用、正装用、オシャレ用と履き替えては楽しんだ。
現在、別誂えで注文すると、2~3週間かかるそうだ。しかし、未だに作っているメーカーがあるということは、生地もあって、注文も少しはあるということなのだろう。
こんな話を聞いたら、今まで、そんなことを知らなかった若い着物ファンも、作ってみようかと思うかもしれないね。一度、チャレンジしてみたら?
成人式も、白ばかりではなく、いろんな足袋の人がいたら楽しい・・・がね。

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