第782号 2014年1月21日「あなたの態度が気に入らないの・・・ No.2」
商いをしていると、いろいろな注文を受ける。なるべく、お客様の意に沿うよう努力しているが、そうはいかない時もある。
先日、125センチの男児のネルの着物(寝巻を兼ねる)の注文を受けた。業者に聞くと、大人の寝巻は作っているが、子ども用は無いという。需要が無いのだ。儲からない商品は消えていくのだ。ネルに似たパジャマ生地で、別誂(あつら)えで作れば、それらしき品になる、とその業者が教えてくれたので、お客様に伝えた。すると、『値段が高いからいらない!』とのこと。子どもの品は、大人のものとは寸法が違うから、かえって手間がかかり、仕立て代金もかさむし、製品にするまでのチェックが大変だ。簡単に受ける当店の従業員も、何も考えていないし、お客様のほうも、受ける側の大変さを理解してくれていない。困ったものです。
以前にも、このお客様から、二重ガーゼの肌着の注文を受けた。125センチの子どもだから、既製品がない。別誂えになる。いざ、仕立てにかかると、工業用ミシンでは、まっすぐ縫えないのだ。このような商品を、専門で作っておられる業者には簡単な作業でも、初めて作る人にとっては大変な作業となった。
商いをしていると、いろいろ勉強することがある。現代は、このような特殊な仕事は、値段を気にしない、日数を限定しない注文しか受けられない時代になった。我店の、従業員の知識を補うためにも、カンニングペーパーの用意もしてあるが、今一度、読み直す必要があると気づいた。