第781号 2014年1月17日「あなたの態度が気に入らないの・・・」

781毎日、店に出て、若い従業員の接客の様子を観察し、お客様に喜ばれる工夫についてアドバイスしている。
商いに対して自信のない売り手は、お客様の反応に敏感だ。ただ、お客様も迷っているわけで、ご要望すべてを受け入れて対応していると、試着の枚数ばかりがどんどん増える。そうすると、初めに選んだものとはかけ離れた色・柄になったり、高額になったりして、余計に迷わせ、結局は決まらずに帰らせてしまうことになる。
先日、係に、『君は、本当はどれが一番いいと思ったの?』と質問したら、『わかりません。』と答えた。『そんないい加減な気持ちで接客してはいけない!』と厳しく注意した。アドバイザーとして接客する以上、そのお客様が一番望んでいる姿にしてあげるのが仕事だ。好きな色・柄で、予算内にまとめる。『この柄いいわね。』 と言われたら、『いいですね。』 『これは?』―『いいですね。』 どれもこれもいい柄に決まっているが、そのお客様に似合っているかどうかがポイントなのだ。心がこもっていない。
売れても売れなくてもどっちでもいい、などという営業マンやアドバイザーには、なってほしくない。『可愛いね!』なら、本当に心からそんな気持ちで意見が言えるようになってほしい。私は、そんな正直屋の従業員を育てなくてはいけないと思う。

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