第756号 2013年9月24日「単衣の魅力 No.11」

もうすぐ10月だというのに、浴衣の反物を購入したいというお嬢さんが来店された。
10月15日に着用したいというので、それに間に合わせなくてはいけない。昔なら2日で縫ってくれる仕立屋さんもあったが、現在は、至急を嫌がる加工屋が多いので、最低1週間から10日いただいている。着物屋としても情けなく思う。
そんな話をしていたら、『自分で縫う』と言われた。『えっ?縫ったことあるの?』 『ええ、一度だけ・・・』 そんなで仕立て上がるのかな?と思いながら話を続けていると、『ミシンで縫うから・・・』とのこと。それならやれるかもと思い、『もし、やれないようなら、当店にご相談くださいね。』ということで、購入していかれた。 こんなお客様もあるんだ。
その後、電話で、『一度、水に通したほうがいいと聞きましたが・・・』との質問があったので、『綿素材は縮むので、そうするといいのですが、購入されたのはコーマ生地だから、ほとんど湯通しはしませんよ。』と答えた。よく勉強されている。これなら心配なさそうだ。うまく仕立て上がるといいですね。
朝夕は、少しずつ秋らしくなってきました。今秋こそ、1枚だけ持っている単衣の紺の結城紬を着るぞー。
着物っていいね!

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