第753号 2013年9月13日「準備 No.2」

753鹿児島や奄美大島の一部では、成人式に先染め(先に糸を染めてから織る)の大島紬を着用される人もいるそうだが、後染め(白生地の反物に後で染める)の品のほうが一般的だ。
振袖は、絵羽仕立で作られているので、破れや日焼けがひどいと補修が大変だ。毎日着用するような品ではないから、より華やかになるように作られている。光に反射すると柄が浮き上がる繻子(しゅす)織のような織り方をしたり、絞りや刺繍、箔を入れたりなど。
これらは、擦(す)れや引っ掻きに弱く、キズになりやすい。丁寧に扱う必要がある。毎日着物を着用するのが当たり前だった時代は、そんなことは常識として誰もが知っていたことで、着用する時も注意を払って着装した。晴れの日だから、美容院で髪を結ってもらい、袋帯も締めてもらった。
現代は、普段着用しない人たちばかりだから、ちょっと着方が悪いとキズがついてしまったりする。何も知らないのだから仕方がない。我々業者も、販売する際に、もっとわかりやすく説明しておけばいいのだか、『こんなことは知っているだろう・・・』と思い、何も言わないでいると、後日、後悔することになる。
こんな事は、これからますます増えていくだろう。従業員教育の徹底が重要になる。

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