第643号 2012年7月10日「昔の話-私のこと No.19」

社長になると、生活は私を中心に回るようになった。休日はお袋を連れて買い物に行ったり、おいしいものを食べに行ったりした。お袋がボケないようにと始めた週に一度の運動も、それだけでは体力が衰えると思い、デーサービスにも週二回出掛けてもらった。初めは嫌がっていたが、次第に慣れて楽しんで行くようになった。夕食時の会話で、その日の出来事をよく聞いた。戦時中、満州で苦労をしたお袋。平成11年4月20日に亡くなるまでに北海道・利尻礼文旅行、宇野千代さんで有名な岐阜の薄墨桜見物、京都旅行、下呂温泉には弟も連れて何度も行った。親父の存命中には出掛けることもなく親子の会話もなかったから、もう少し生きていて欲しかった。毎日仕事で忙しかった。一年半のわずかな期間だったが、楽しい思い出になった。子ども達も高校生と大学生になっていた。お袋はうなぎが好きだった。熱田の有名なうなぎ屋にはよく行った。嬉しそうな笑顔は忘れられない。

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