第614号 2012年3月30日「昔の話-私のこと No.6」

番頭たちは、よく働いてくれた。従業員全員が燃えていた。
求人もした。初めは高等学校への求人で、名古屋の商業高校や三重県の高校。私の同級生が教師になっているのを知り、彼にもお願いし、何人かが入社した。即戦力になるということで、和裁の専門学校にもお願いした。その後、入れた従業員を定着させるために奉公人の求人もし、同業者(きもの屋)の跡継ぎとなる何人もの男女を預かった。
従業員教育もした。勉強会の一環としての産地見学では、十日町、京都、金沢、静岡、伊賀へも行った。
結局、従業員のほうは正直屋には残らなかった。正社員で入れた男の子たちは私のわがままに耐え切れず(?)退社していった。
今、考えると惜しい人材も何人かいた。今ごろになって自分の器の小ささに気づいている。

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