「着物は捨てられない」と思う年代が昔は少なからずあった。
昭和ひとけた以前に生まれた人達はほとんどの方が経験した悲しい出来事だ。何の話かと思われる年代もあるかもしれない。昭和25年生まれの私も人から聞いた話であり、体験ではない。
かつて着物が食料に変わった時代が日本ではあった。
敗戦によりアメリカの管理下による食料配給だけでは生きながらえることができず、仕方なく着物を物々交換で食べ物に変えた。
現代の日本人は食べられる物を捨てているのだから信じられない話だ。世界では現代でも餓死されている国もあり、今だからこそお祖父さん、お祖母さんはその頃の出来事を孫に語り継ぐことこそが大切だと思う。