真綿(まわた)について

綿は、昔はすべて真綿、つまりシルクだったそうです。
現在は、『綿』と書くと誰もがTシャツのメンを想像すると思います。それは、それほどまでにメンは品質が良く、安価で真綿(シルク)に似ているからなのでしょう。真綿の手触りは、さすがにやわらかくてやさしい。繊維の中で一番早く水分を吸い取り、外に発散する。サラッと爽やかなところから、肌につける品として最適です。
天の虫と書く蚕(かいこ)。蚕の一生は57日ほどで、幼虫は3ミリほど。桑の葉を食べ続けることで4回も脱皮して急成長し、糸を吐く頃には一万倍もの体重になるそうです。1,500メートルもの糸をおよそ二昼夜吐き続け、繭(まゆ)を作ります。
ジンギスカンの蒙古軍が寒い北辺の土地を自由に駆け巡り世界を制覇できたのは、馬とキルティングされた分厚い真綿の綿甲冑(かっちゅう)のお陰だと言われているそうです。

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