第969号 2022年2月18日「コロナ」

コロナ禍も3年目に入った。工場の操業停止や物流の停滞のせいで、いろいろな製品が品薄状態であることは、テレビの報道などで知っている。だが、この2年間、すぐに必要なものはなかったので、私自身は、特に不便を感じることもなく過ごしてきた。
しかし、我が着物業界でも、昨年末くらいから、影響が出てきたなと感じることがあった。振袖セットに利用する小物の一部が品不足となったのだ。
あちこちの問屋に電話をし、探し回って何とか手に入れた。その時驚いたのは、普段ならいつでもある品が無いということだった。どこに電話しても無いのだ。試しに通販サイトで検索してみたら、販売しているところを見つけた。だが、その品は古いのか?新しいのか?ネット通販は、あらゆる商品を探すことができてとても便利だが、実際に手に取ってチェックすることができない。それが残念だ。
一方で、季節商品は山のようにあり余っている。例えばゆかた。この2年間、仕入れた品が動かない。お祭りや盆踊りがない。だから買う必要がない。価格を下げる。安くても売れない。在庫を山のように抱え、倉庫に保管しているメーカーや問屋。捨てるわけにもいかないから、次年度に包装し直し、価格を下げた値札を付け直す。そうすると、新商品を作っても安価でしか売れない。生産者、職人がどんどん辞めていく。
そろそろ夏物の展示会が始まるが、今年はどんな工夫をして対応するのだろうか?

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