第886号 2015年11月4日「いつの間にか65才 No.3」
先日、髪の毛が入っていたとお菓子屋さんにクレームをつけ、現金やお菓子を要求したという事件をテレビでやっていた。訴えた店があったから事件になったのだが、被害に遭った店は、ほかにもたくさんあったようだ。
どんな企業でも、多かれ少なかれ困ったお客様はある。『消費者センターに訴えるぞ!』と脅す人もある。『どうぞ、そうしてください。』と私は必ず言う。大概の場合、自分の思うようにしてもらえないというお客様の身勝手な振る舞いからくるものだ。『こちらが訴えたいくらいだわ。』と心の中でつぶやきながら対応し、『もう二度と来店しないで!』と願う。
もちろん消費者保護はするべきだが、行き過ぎは、ただのワガママでしかない。そんな言い分が通ってしまう世の中にどんどん変わりつつある。
人間は、両面の心を持っている。例えば、歩行者と運転者の立場ではどうだろう。『もっと端を歩けよ!』 『危ない運転だなあ。』誰しも、立場が変わると、考えることも変わるものだ。
自分も親になってずいぶん経つが、ついこの間まで(今でもそうかもしれない)、子どものような気持ちで言いたいことを言っていた。私の親は、もう18年も前に亡くなっている。
自分の子どもだけではなく、多くの子ども達を教え導く立場でいなくてはいけない年齢だ。そんな私たち昭和20年代、30年代生まれの人間が、これからの時代を考え、良いこと、悪いことの見極めをもっと若い人たちに指導していかなくてはいけないのだ。
だが、自分の生き方に自信があり、そんなことができる人間がどれだけいるだろう?
良い世の中になってほしい。そう皆が願っている。