第860号 2015年3月3日「卒業」

いよいよ卒業式シーズン。今年も、もう3月になってしまった。早いものです。そんな風に感じるのは年のせいかな?
男袴は今年も清武、女袴は矢絣が人気です。小学生用女袴も一般的になり、小学生用男袴や幼稚園児の卒園袴もポチポチあって嬉しく思っています。卒業スタイルは、和ブームなのか?
小学校・中学校・高校で着付教室や和裁の時間を作っていただくことは、日本文化の見直しと共に、着物の関心度を高めるにはとても良いことです。毎年縮小傾向の着物業界にとって、有難い限りです。映画やテレビの時代劇の中だけで見るような存在では悲しいです。本当は、我々のように着物に携わる者たちがもっと着物を着用して、その素晴らしさをアピールしなくてはいけないのです。
オシャレ着である紬の着物を着る人も少なくなり、観劇に行っても、あの大島紬を着ている人がいない。寂しい限りです。ご住職だけが着用者として残るのだろうか?白・黒の世界だけでは悲しすぎる。
どこの国でも、その国の文化を守る上で民族衣装を大切に継承しているのに、どこでどう路線が変わってしまったのか?明治維新によるものか?敗戦か?とにかく、現代は洋装の時代であることには間違いない。
和の文化が見直され、和食・和紙に続き、きっと次は和服だ!2020年のオリンピックには2,000万人以上の外国人旅行者が訪れると見込まれている。『おもてなし』日本をアピールするためにも、ぜひとも多くの日本人に着物に目を向けて欲しいと願う。たまには、家族みんなで着物を着て、近所の氏神様で手を合わせる。お正月でなくても、やってもよいのでは?
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。学生生活に区切りをつけて、次の新しいステップへ進んでください。ご両親に感謝しましょう。

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