第675号 2012年11月6日「昔の話-私のこと No.30」

厳しい毎日だったが、ホームページのおかげで、少しずつDM請求や商品の問い合わせが来るようになった。だが、遠方のお客様の購入はなかった。
平成19年11月に、茨城のお客様から振袖の問い合わせがあった。きっと購入はされないだろうなと思いながらも、暇も手伝って詳しく説明させていただいた。二日後、同じ方から再度電話があり、購入したいとのお話。『えっ、本当ですか!?』と思わず言ってしまいそうになるくらいの驚きだった。それまでは、遠方の方はひやかしばかりだった。光通信といえども、長電話はイヤだった。思いがけず売上が出来てしまい、その後の対応は、より一層丁寧になった。
倖田來未ブランド振袖の問い合わせの時には、『今日、その柄、試着してきました。』と言われたお客様があった。普通は、試着したその店で購入すると思うのだが、対応がまずかったのだろうか、当店で購入された。
ネットでの販売は難しい。洋服と違って着物は、重ね衿・帯締め・帯揚げ・草履・バッグ等、合わせるものが多い。センスの良いお客様は、自分のイメージに合う商品が見つかるまで妥協されない。何度もメールや電話でやりとりして決定していくのだ。
それにしても、高額な和服も、全国各地のきもの屋のホームページをチェックして買う時代なのだ。時代は変わったと改めて実感した。

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