第654号 2012年8月24日「成人式 ふたたび」

先日、名古屋のテレビ局から問い合わせがあった。
『おばあちゃんが振袖を着用する地域や儀式みたいなものがあるそうだが』と・・・。その日はお店が休みだったので、私は外出先でその問い合わせの電話を受けた。自分の記憶の中では聞いたこともなく、『ありません!』と即答した。
盆休み中だったので、調べたり人に尋ねたりすることができなかったのだが、盆明けに、ある専門雑誌社の編集長に伺ってみた。すると、小倉・岡山・八王子のきもの屋さんでは、還暦祝いとして、3月3日のひな祭りの日にそんな行事を行っているというのだ。カラオケの舞台衣装等として中高年の女性が振袖を購入するという話は聞くが、厄払いやお祝いのために着用するなどどはまったく知らなかった。振袖は、未婚女性が魂振りをすることで異性を呼び、幸せを与えるものだと教えられていたので、それ以外に利用するなどとは考えもつかなかった。
これをきっかけに色々と考えてみた。現在80歳前後の方々は、戦時中から戦後の激動の時代の中で、現在のように成人を祝ってもらったという経験を持つ方は少ないだろう。そんな方々にとって、振袖姿は一生の記念になるのではないだろうか。3月3日なら成人式と卒業式の間で、季節としてもとても良い。その時期なら振袖もたくさんある。良いアイデアではあるが、なかなか実現は難しいかな?機会があればやってみたいが・・・。

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