第872号 2015年7月17日「いつの間にか65才」

暑くなりました。世間はすっかり夏姿。
昔は、『夏に着物なんて・・・』と思っていました。ところが、近頃は、夏の浴衣が人気で、着用者が多い。着物は、あまりにも決まりごとが多く難しいものだというイメージが強いのに対して、浴衣は安価で着装も比較的簡単なところが受けているのか?でも、私からすれば、『好きなように着用すればいいのに』と思います。
私は、40歳から毎日着物を着るようになりました。初めの頃は、年配の方から、『もっときちんと着なさい!』と注意されたり、旅先で、着装を直されたりしたこともありました。でも、その当時でも、本当に着物の好きな方たちからは、『自由に着ていればいいのよ。』と誉められたりもしました。
年寄りが、昔はこうだったとか、現在の己の姿も考えずに文句をつけたり批評をするから、若者は年寄りの意見を聞かなくなるのです。何か、最近の自分の姿を話しているような・・・。
いつの間にか、自分も65才という定年の時期を迎えてしまいました。同級生でも、リタイアした人が多くなりました。『サラリーマンには定年があっていいなあ』と言うと、『まだ元気なのに、仕事も出来るのに辞めさせられて辛い。』と言う。男は特に、仕事を取り上げられると、時間を持て余してしまって困るようです。『いつでもいいから電話をくれ!』と言われても、中小企業の経営者の身、毎日遊んでいるわけにもいかない。
本人たちも、本当は遊んでいるより仕事をしていたいようです。でも、今までしてきた仕事も、それまでの地位も無くなってしまった。ほどほどに好きな仕事があれば、年金プラスいくらかの給料が入ってくる。そんな生活ができれば一番いいなあ、というところでしょうか。
『お前は自分で定年を決められるからいいな!』と言われる。お互い、他人のことはよく見えるようです。
いつの間にか65才。いつまで着物が着用できるか?着姿を楽しそうに見ていられる年寄りになりたい。

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