第390号 2009年10月14日「レンタル屋の親父さん No.2」

昔レンタル屋さんに着物を購入していただいていた時があった。振袖、帯、留袖、訪問着と当店ではちょっと持ち越した品等を安価で購入していただいた。
本来はお客様に売り切らなくてはいけない品なのに、丁稚奉公から帰ってきて2年後に本店仕入れを任されてすぐの4~5年は、仕入れもあまく、又、正直屋のお客様の好む品もわからず、よく失敗して損をした。
そんな時にはこのレンタル屋の親父さん宅へ商品を持参した。値段をよく知っておられ仕入れ原価の半値だと言われたこともあった。ある時見せた品すべてが値段が合わず販売をあきらめて帰ろうとしたら『お前さん商いにきたのなら1反でも置いていかなくては何をしにかたのかわからんやろ!!置いていかないならもう着なくていいからネ!!』半分脅迫ですか?泣く泣く置いてゆきました・・・皆、自分の仕入れが悪いからいけないんだ。もっとお客様の好みを覚えなくては・・・懐かしい思い出です。

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