第333号 2009年2月26日「そんなアホな!! No7」
『唐織の帯』をご購入されたお客様がいました。
特殊な帯なのでそのお客様には、購入された時も納品時にもきちんと商品説明をしました。
「この帯は唐帯(斜文織)という織り方で、ひっかけると糸がたわわ状態(ゆるむ)になるが、気になれば何度でも糸を引っ張り調整することで直しますから・・・」
結局このお客様はこの話を聞き流していたのです。
後日、『帯の糸がゆるんだ。こんなキズ物を売りつけて!!』と夫婦で来店され恐ろしい程、叱られました。最後にはご主人が『こんな品いらん!!』と言って、納品した帯をおいて帰られました。『サギだ!!』と捨て台詞付きでした。
困り果て、メーカーに直しをお願いするとともに、メーカーから直接お客様宅に商品説明をつけて直送してもらう様お願いしました。
翌日、ご主人から突然『明日帯をとりに行く。』との電話です。あまりの勝手な話に「あなた様はサギだ!!と言って商品を投げ捨てて帰られましたヨネ!!」と言い返した。
もちろん、その時点ではもう商品はメーカーに届けられ、前述の通りの指示がしてあったので、私どもの仕事は腹の立つものの終わっていたのです。
どこの着物屋さんで購入されても唐織部分の糸留めはしませんが、このお客様の帯はメーカーでしっかりと留められて納品されたとのことです。次にひっかけた時は、たわむのではなく切れるのです。・・・残念ですが、仕方のないことです。