第135号 2007年4月23日「取材 パート1」

雑誌社から「日々麻の着物を着られている人の取材をしたい」との話を受け、『えっ?』と言ってしまった。今時、真夏の一時期だけ着る麻の着物を一日中着られている人がいるのか?と思ったからです。
私も紗の着物(絹)や綿の着物は着ます。長襦袢を麻にするとサラサラしていて肌にはとても気持ちがいいのですが、立ったり座ったりの仕事なのでシワがよってだんだん短くなってしまう欠点が麻の着物にはあるのです。『本当に着ている人がいるのかい?』って取材の子に聞いたら、少なくとも東京にはいるそうで・・・さすがに東京は広い・・・と感心したりした。
そういえば5~6年前までは「あのお客様」はきていたなァーと思い出しながら「麻はネ、小じわの所は霧吹きでシューッとしておけば自然にとれるのヨ!!」なんて言ってたけど、本当はとれない。
でも、きもの屋さんで麻の商品を展示している所があるのかな。麻混の浴衣はあるけど、本麻の小千谷や上布などを所有しているのか?きもの屋でありながら、その商品を仕入れなくなってもう何十年かになる。もちろん絹の紗の着物は所有しておりますが、だんだんと知らず知らずのうちになくなっていく品もあるのですネ。
こんなコメントを書く我々が、もっときものを大切にして着る習慣を作らなくてはいけません。坊主は着物をきとるゾ!!そうなんです。きもの屋は着てないのに、お坊さんは暑くても寒くても着物姿なんですネ。ありがたいことです。
取材の話から何か業界のいやな面を見てしまい恥ずかしい気持ちになりました。

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