第32号 2004年8月27日 「足袋職人」

 アテネのオリンピックでは、日本人が金メダルをたくさん取り、TVを見ていても声援に力が入ります。
オリンピックに関連して職人さんの特集をしていましたが、それを見ていたら、「砲丸投げの砲丸の重心を真中にする技術の難しさ」「『愛ちゃん』(卓球)のラケットは1g重さが違うだけで打つことに変化が出る」などの報道をしていました。それを作っている日本の職人さんの技術の高さと共に、高齢化でその技術を受け継ぐ人材不足などのことを痛感しました。
われわれの業界でも「足袋」が同様で、以前は『足合わせ会』と言って、別誂えの足袋を注文して作らせていました。人の足はよく見ると甲高の人や足幅の広い人・狭い人、外反母趾の人等の場合があり、そんな場合もやはり別誂えで作っていましたが、現在はある程度までの誂えしか出来なくなりました。(イージーオーダー)職人さんが少なくなって寸法を測る人がいなくなり、出来なくなってきたのです。
私も毎日着物を着ているので、誂えの足袋を履いていますが、やはり寸法が合っていると足にフィットして、疲れなくて楽ですし気持ちが良いです。履くたびに職人さんがいることに感謝しています。

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