きもの選びは友達探し、あなたの笑顔に癒される by かずまさ

目次はこちら(今までの記事一覧)

第783号 2014年1月24日「あなたの態度が気に入らないの・・・ No.3」

『29センチの男性用白足袋はありませんか?』という問い合わせの電話が、朝早くかかってきた。28センチまでなら定番で作っていることは知っているし、確か在庫もあったはずだ。28センチの在庫を確認してから、折り返し電話することにした。
数分後、『在庫はあります。』と言って電話を切った。しかし、29センチの足袋について話していなかったことを思い出し、おせっかいにも、再度電話した。『29センチの足袋も、別誂(あつら)えなら、2~3週間で出来ますよ。』と。すると、『お客さまからの問い合わせだから・・・』という答えが返ってきた。『ん・・・?』 つまり、同業者からの問い合わせの電話だったのだ。
日曜日、その店には在庫がないので、急にお客様が来店されたら困る。そこで、あらかじめチェックしておき、最悪、正直屋に買いに行けばいい、と考えたらしい。
昔は、同業者なら、『どこそこの何々という着物屋だが・・・』から始まって、『足袋はあるか?』と尋ねられたものだが、現代は、お客様が尋ねるのと同じように、フリーダイヤルへ電話してくる。自分のところさえ良ければそれでいいのだ。まったく困った時代になったものだ。

ページの頭に戻る

第782号 2014年1月21日「あなたの態度が気に入らないの・・・ No.2」

商いをしていると、いろいろな注文を受ける。なるべく、お客様の意に沿うよう努力しているが、そうはいかない時もある。
先日、125センチの男児のネルの着物(寝巻を兼ねる)の注文を受けた。業者に聞くと、大人の寝巻は作っているが、子ども用は無いという。需要が無いのだ。儲からない商品は消えていくのだ。ネルに似たパジャマ生地で、別誂(あつら)えで作れば、それらしき品になる、とその業者が教えてくれたので、お客様に伝えた。すると、『値段が高いからいらない!』とのこと。子どもの品は、大人のものとは寸法が違うから、かえって手間がかかり、仕立て代金もかさむし、製品にするまでのチェックが大変だ。簡単に受ける当店の従業員も、何も考えていないし、お客様のほうも、受ける側の大変さを理解してくれていない。困ったものです。
以前にも、このお客様から、二重ガーゼの肌着の注文を受けた。125センチの子どもだから、既製品がない。別誂えになる。いざ、仕立てにかかると、工業用ミシンでは、まっすぐ縫えないのだ。このような商品を、専門で作っておられる業者には簡単な作業でも、初めて作る人にとっては大変な作業となった。
商いをしていると、いろいろ勉強することがある。現代は、このような特殊な仕事は、値段を気にしない、日数を限定しない注文しか受けられない時代になった。我店の、従業員の知識を補うためにも、カンニングペーパーの用意もしてあるが、今一度、読み直す必要があると気づいた。

ページの頭に戻る

第781号 2014年1月17日「あなたの態度が気に入らないの・・・」

781毎日、店に出て、若い従業員の接客の様子を観察し、お客様に喜ばれる工夫についてアドバイスしている。
商いに対して自信のない売り手は、お客様の反応に敏感だ。ただ、お客様も迷っているわけで、ご要望すべてを受け入れて対応していると、試着の枚数ばかりがどんどん増える。そうすると、初めに選んだものとはかけ離れた色・柄になったり、高額になったりして、余計に迷わせ、結局は決まらずに帰らせてしまうことになる。
先日、係に、『君は、本当はどれが一番いいと思ったの?』と質問したら、『わかりません。』と答えた。『そんないい加減な気持ちで接客してはいけない!』と厳しく注意した。アドバイザーとして接客する以上、そのお客様が一番望んでいる姿にしてあげるのが仕事だ。好きな色・柄で、予算内にまとめる。『この柄いいわね。』 と言われたら、『いいですね。』 『これは?』―『いいですね。』 どれもこれもいい柄に決まっているが、そのお客様に似合っているかどうかがポイントなのだ。心がこもっていない。
売れても売れなくてもどっちでもいい、などという営業マンやアドバイザーには、なってほしくない。『可愛いね!』なら、本当に心からそんな気持ちで意見が言えるようになってほしい。私は、そんな正直屋の従業員を育てなくてはいけないと思う。

ページの頭に戻る

第780号 2014年1月15日「オッサンのぼやき No.2」

近頃は、商いのほうも振袖に重点を置くようになったので、18~19歳のお嬢さんと接する機会が多い。私と同世代で、早く結婚した人の中には、成人年齢のお孫さんがいる人もある。もう、ずいぶん前から 『おじさん』 『オッサン』の年齢なのに、そんな若いお嬢さんから 『お兄さん』と呼ばれると、とても嬉しい。
先日の商いの中で、『このお兄さん、おもしろいねぇ。』などとおだてられ、気を良くしたバカなオッサンは、よくしゃべった。そして、暗いニュースが多い中、『これが、人を楽しくさせる本来のリップサービスなんだなぁ』と気づいた。
従業員から、『近ごろの社長は、怖い!恐ろしい!』と言われ、以前のような会話がなくなってしまった。
今更、DMの発送期日の失敗を悔やんでみてもしょうがない。『あれだけ考え抜いた上で出したDMなんだから』と開き直るしかない。従業員にあたっても、良い結果など生まれるはずもない。全て、自分の為(な)せる業とするしかない。
年末から、振袖商戦が本格化してきた。グループのDMも、2冊仕上がった。反応を楽しみに待つしかない。
人生いろいろ
男もいろいろ
女だって いろいろ咲き乱れるわ~♪
島倉千代子さんが永眠した。

ページの頭に戻る

第779号 2014年1月10日「Let It Be No.3」

人は 年を取った分だけ いろいろな経験から
予防策を身に着ける
いいこともあれば 予防しすぎて 会話を控えたり
行動を起こさなくなったりする
それが 老いなのかもしれない
人には 誰にも平等に チャンスが与えられている
成功した人 失敗した人 健康な人 病気を患っている人
背中に 『この人は 失敗したんですよ』と
書いてあるわけでもない
成功者であろうが なかろうが
食事に 多少違いはあっても 同じだ
空気だって 水だって お酒だって
どうせなら 愉快に生きよう

ページの頭に戻る

第778号 2014年1月7日「ごあいさつ」

あけましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
着物屋は、1月はとても忙しいのです。まずはお正月、次に成人式。あいさつ回りや初釜茶会など、着物の着用機会も多く、その後始末となるシミ抜き等の悉皆(しっかい)の仕事が多く出るからです。
せっかく高価な着物を購入されたのに、後始末が悪く、その後、着用できなくなるお客様もあります。ですから、着用後は、必ずご自身でシミ等のチェックをしていただきたいと思います。
もし、シミがついていたら正直屋へご持参ください。シミは病気と同じです。早期発見、早期治療が一番です。そうすれば、大概は大事に至ることはありません。ご持参された折に、何のシミかをお知らせくだされば、治療もしやすく、生地を傷めることもありません。着用の度に、そんな取り扱いをしていれば、長年にわたって着物のオシャレを楽しめます。
昨年は、『おもてなしの心』というのが、よく取り上げられていました。そんな気持ちで着物も扱えば、着物に関する所作や言葉遣い、決まり事等にも関心がいき、着物の楽しみがもっと奥深いものになることでしょう。
今年は、そんな気分で着装にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

ページの頭に戻る

第777号 2014年1月3日「年の初めのごあいさつ」

777年の初めのごあいさつ
毎日会っている人
ずいぶんご無沙汰の人
どちらにも『今年もよろしく!』と
できるなら 会って話がしたい
いつまでも そんな間柄で・・・

良い年になりますように

ページの頭に戻る

第776号 2013年12月29日「Let It Be No.2」

776平成25年も、あとわずかで終わろうとしている。今年も、いろいろな出来事があり、その対応については、時々、ブログにも書いてきた。東京にいた娘が、名古屋に戻り、一緒に生活するようになったことは、とても嬉しいことだった。
振袖21グループでは、今後のグループ運営のことを考え、経費の見直しを図り、印刷会社も替えた。どんなDMが出来上がってくるのか心配もしたが、想像していたもの以上の作品が出来、嬉しく思った。正月明けの商いで、どう利用していこうかと、また悩んでいる。ホームページのほうも、これをうまく利用して、年末ギリギリまでかけて、2つのドメインの見直しを図り、ようやく出来上がった。これも、正月明けにどんな結果が出るのか楽しみだ。
来年は、消費税の値上げもあり、どのお店も対応が大変だと思う。横のつながりも、今年以上に強くして、良い方向に進むべく努力しなくてはいけません。それを達成するのに一番必要なことは、『私自身の成長』です。皆に迷惑がかからないよう、日々、成長できる生活をしたいと思います。
皆様には、今年一年いろいろお世話になりました。
来年も、よろしくご指導くださいませ。

ページの頭に戻る

第775号 2013年12月27日「オッサンのぼやき」

日報をつけるようになって41年になる。きっかけは、奉公先で金銭トラブルに巻き込まれ疑われてからだ。一日の出来事を簡単に書き留めておくのだが、金銭については、特にきちんと書いた。納品したのに受け取っていないとお客様から問い合わせがあった時にも、『何月何日何時何分ごろ届けました。』と報告すると、大概ビックリされる。そして、もう一度タンスを調べてみると、いつもと違うところにしまい込んでいて、それを忘れていたということが多い。
日報を書いていることで、納品した、しないの問題はほとんど解決できる。しかし、時に注文品を書き忘れ、お客様に注意されるというウッカリもある。本来は、毎日その場でメモするのが一番なのだが、安請け合いが一番いけない。反省している。
30歳代、40歳代は、毎日平均10軒くらいはお客様宅を廻っていた。もちろん、どこを訪問するのかは、自分で好きなように決められる。いい加減な日もあれば、真面目に仕事をした日もあった。
10年も20年も前の日報を、読み返す必要はない。ただのゴミだが捨てられない。自分がいなくなった後、この膨大なゴミの山の中の1ページでも、読み返してくれる人がいるかいなぁー?

ページの頭に戻る

第774号 2013年12月18日「親父の教え No.7」

私は今でもバカ息子と呼ばれているが、30歳代40歳代は、やりたい放題、仕入れ先には言いたい放題だった。だから、衝突する。ほとんどの場合、私が自分の意見を曲げることはなかった。
経験を積んだ先輩番頭たちの仕入れた品物が安いことに気づくと、無理やり同じものを仕入れた。今なら、どうして番頭たちは、その値段で仕入れることができたのかを考えるのだが・・・。売上作りのために損を覚悟で卸してくれた品もあったことだろう。しかし、そんなことはお構いなしだった。店長会議で親父に叱られた。しかし、反省などまったくしなかった。もちろん、何度もいやな思いもした。大概の場合は収まった。番頭が裏で手を回してくれたのか?親父が謝ってくれたのか?『バカ息子のやることは・・・』で通ってきた。
広告の仕事も、求人の仕事も、私がメインでやってきた。求人は、毎年何人か採用した。店も、毎年成長していた。番頭たちのメインスタッフが私や妻を入れて8人になり、店も4店舗となった。従業員も15~6人になった。私が育てた人材は、一人もいなかった。弟が入社、番頭の息子が入社、第二期正直屋が始まろうとしていた。2人とも結婚し、戦力は4人になった。
昭和から平成になり、きもの販売の手法が少しずつ変化してきた。親父が平成9年に亡くなり、その頃から、婚礼衣装の売れ行きが少しずつ悪くなった。着用しない品が売れるはずがない。番頭たちは定年を迎え、弟たち4人は病気等の理由で退社した。
平成25年に創業90年を迎えた。『お客様に喜ばれる店作り』を一日でも長く続けたいと願う。

ページの頭に戻る