第927号 2018年6月22日「おつづきいかがですか? No.13」

2020年の東京オリンピックが決まった頃、外国人観光客は2000万人にも満たなかった。現在は、4000万人を目標としているそうだ。
外国人向けのキャッチフレーズで日本人にも受けた言葉といえば、『お・も・て・な・し』。お客様を接待し、喜ばせることを意味する言葉だ。お茶の作法などは、まさにおもてなしの心が込められた日本が誇る伝統文化だ。その日の来客者のために掛け軸や茶花を飾り、茶菓子や懐石料理を振る舞い、会話を楽しむ。
お稽古(けいこ)事は、『守(しゅ)・破(は)・離(り)』だというが、先生の『真似』をすることで覚え、最終は『心』の領域までたどり着き、そこで初めて先生から離れる、とか・・・。それこそ、その道を極(きわ)めるということなのだ。お茶でいうなら、『おいしゅうございました』なのだろうか?
我々のする手習いは、それこそ、ここから角までは何歩で歩いて・・・なのだが、そんな話を毎回お茶を出しながら、着物のことやら、日本の作法のことやら教えてくださったお客様がいた。もちろん、その方は、毎日着物姿で、道具などは使用せず、昔からの肌着や小物を着用されていた。『あなたはまったく美味しそうにお茶を飲んでくれるから・・・』と、毎回二服(二杯)出してくれた。
懐かしい言葉です。『おつづきいかがですか?』

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