第920号 2017年12月26日「着物のこと No.10」

着物に関する仕事を手伝い始めて47年になる。40歳になった時から、営業日は毎日着物を着用している。お茶・お花・日本舞踊・民謡・能・詩吟・琴・三味線など、着物から連想する習い事はいろいろあるが、自分は一切やってこなかった。
老舗の着物屋さんの子どもなら、特にそれが女の子であればなおさら習っている子は多い。私の妹も習っていたが、お茶やお花は、花嫁修業の一環として、一般のご家庭でも習わせているところはあった。今でも習っている人は多いようだ。
昔と今とで違うのは、昔は着物着用でお稽古したものだが、今は洋服姿のまま、着物を着ているという想定で行う。当然、お茶会当日は着物姿となる。粗相をするわけです。着物は、着慣れていないと歩くのも所作もうまくいかない。洋服ならうまくできても、本番ではいつもと違う。茶を点(た)てる時に間違うと困ったことになる。茶道は先生の真似をすることから始まるわけだが、先生も着姿でないと、もう茶道どころではない。
勝手なことを書きましたが、お茶は着物姿でお楽しみください。

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