第919号 2017年11月25日「元気な専門店」

919着物業界に入って44年になる。丁稚(でっち)奉公の3年間は、まだ着物がよく売れた時代で、着用者もたくさんあった。
私が奉公した会社は、商店街やスーパーなどのショッピングセンターに出店していて、値段・量・陳列に気配りした客待ち商法だった。そして毎年のように新規出店を繰り返していた。
一方、実家のほうは、店の立地が悪く、番頭たちが毎日車で外回りをする外商だったが、私が戻った頃は、着物組合による催事販売が主となっていた。前払い式証票による友の会組織を形成し、日々、その集金とケアで顧客を増やしていった。その他のサービスとしては、着付教室の運営、招待旅行や観劇会を行った。お客様には、購入した着物を着用して参加してもらい、楽しんでいただいた。
親父が平成9年に亡くなった。その頃から、世の中が少しずつ変わっていった。カジュアル品の売上が減った。洋服も含めた支出が減り、人々は教育費やレジャー費にお金を使うようになっていった。
平成15年から17年、番頭たちが次々と定年退職を迎えて店を去った頃、残った従業員は新人ばかりで、商品知識が乏しく、振袖中心の店にするしかなかった。
平成16年には私の緑内障が悪化し、車の運転が出来なくなった。そのため、平成12年頃から始めたITを本格化した。
それまでは、何社ものメーカーのパンフレットを利用してきたが、今後のことを考え、オリジナルブックを制作し、高級・ブランド・レンタル振袖を主軸に、男性成人式スタイルや女袴卒業式スタイルも紹介。東海地方の情報誌『月刊なごや』も利用し、七五三・お宮参り・カジュアル着物等の宣伝をし、少しずつ商品アイテムを広げていきたいと考えている。
振袖を主にした頃から始めた、ヘア・メイク・着付・前撮りを店内で行うという従業員も手伝ってのサービスは、お客様にも好評なので続けていきたい。
『元気な専門店』とは?・・・それは、いろいろチャレンジする店がそうなのだと思う。成人年齢を18歳に引き下げるという話、個人情報保護に絡む名簿利用の問題点など、頭を悩ますことはいろいろあるが、今まで何とか乗り越えてきた。これからも、まずはチャレンジすることに重点を置きたい。

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