第897号 2016年6月22日「ボヤキ」

今年になり、机上での仕事が多くなった。従業員が減り、外出時に運転手を頼むとなると、人員配置のやりくりが大変だからだ。
緑内障で車の運転が出来なくなって、12年が過ぎた。12年前には0.7あった視力が、4月に測ったら0.4だった。白内障も進んでおり、医師から手術を勧められ、5月初めに行った。医師の言うとおり、霞が取れ、細かい字も見えるようになった。視力は0.6まで戻った。見えることの喜びは他人にはわからない。
もちろん、見える範囲が広がったわけではない。見えていないことに変わりはないのだ。今まで読めなかった手紙や書類が、手術前よりは見えるようになっただけだ。机上でも、仕事は以前よりやれるようにはなったが、大体が根っからの営業マン。外回りのほうが自分に合っていると思っている。
今やっている仕事で、会社のためになっているものといえばテレアポだ。これしかない。やってはいるものの、ため息ばかりついている。たまに話の合うおばあちゃんに当たると、話が弾んで、気が付くと10分もしゃべっていた、なんていうこともある。『相手は、暇つぶしに話をしてくれているんだよ。』と女房に言われながらも、会話を楽しんでいる。
昔は、お客様のお宅を訪問して、毎日がそんな感じだった。その日の気分で商品を持ち出して訪問していれば、1日が過ぎた。自分の商いが出来、仕入れも好きなように出来た・・・とボヤいていても仕方がない。
もう65才。普通のサラリーマンなら定年だ。これから歩むであろう道を、少しずつ考えていこうと思うようになった。近頃、過去にお世話になった人たちの夢をよく見る。誰もが年を取る。毎朝、ラジオ体操で会うご老人たちは、お元気で生き生きとしておられる。彼らのような生活を続けられるよう、心も体も若々しく前向きでありたいと願う。

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