第759号 2013年10月11日「神様の言う通り No.8」

『そろそろ身辺整理をしなくてはいけない。』と友人が言った。『お前、まだ50歳代だろ?』と言うと、『子どもたちも成人したし、いろんなものを残しておくと、子どもたちに迷惑が掛かる。』というのだ。
そんな事を言ったら、俺はどうなんだ。子どもから見れば、ガラクタばかり。だが、整理しだすと、あれもこれも思い出の品ばかり。少しは捨てるが、また元のところに戻してしまう。親父やお袋のものを整理した時、残したものは結局写真くらいだったかな?そんなことは残った人たちが決めればいいか・・・などと考えていると、その方が、『あんたの人生で、一番苦しかったのはいつだった?』と話題を変えてきた。その時は、自分の苦しかった頃の話は出来なかった。
月日が経ち、また突然その話が出て、『自分の苦しかった時は、子育てしている頃だった。』と言うのだ。私にも子どもはいるが、いつの間にか成人してしまった。満足のいく育て方をしてきたか?と尋ねられても、『やってきたつもりだが・・・』などと、とぼけた答えしかできない。『誰だって子育ては大変だったろうに、今頃になって、そんな頃が一番苦しかったと思う人はいないよ!』と答えた。
その人にとっては、人生の中で、今よりも、その時の生き方のほうが時間が大切だったのか?子どもたちから何かを学び、その上で親として受け渡すものがあれば、それが子育てというものなのだとすると、私はこれからどうすればよいのか?
神様の話す言葉は、時として難しい話が多い。

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