第712号 2013年4月9日「お店紹介」

玄関に立つと、『山田様、いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。』というアナウンスが流れ、自動ドアが開いた。
その店に、店員はいない。勝手に着物を見て、欲しければ、『これを作って!』と言う。すると、『かしこまりました。山田様には、以前、小紋をご注文いただいていますが、それと同じ寸法でよろしいですか?』 『それでいいわ。』と答えると、『かしこまりました。お仕立上がり合計金額は27万3千円です。前回はカードでのお支払いでしたが、今回はいかがなさいますか?』 『同じでいいわ。』 『ありがとうございます。この機械にカードをお通しください。』
気に入った商品を見つけると、その商品にはQRコードがついていて、それをスマホでかざすと仕上がったスタイルの動画が見られる。また、商品群の色違い・柄違いもボタンひとつで流れてくる。もちろん人が着装した姿だ。その店にない商品で、現品が見たい場合、『Aの365番が見たい。』と言えば、『その商品は、一週間後に当店に取り寄せておきます。』とか、『その商品は、現在、欠品になっていますが、30日後には染め上がりの予定です。それでもよろしければお取り寄せしておきますが・・・』 『60日後に娘の優子が着るのだけれど、仕立てられるかしら?』 『はい。優子様の寸法はわかっていますが、そのままの寸法でよろしいですか?』
人がいない店。すべてロボットが受け答えする。お茶のサービスもある。過去のデータがすべて記録されていて、お客様の趣向に合わせ、お客様の好みの品を勧めてもくれる。新作の提案もする。
こんなお店はいかが?

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