第640号 2012年7月1日「跡継ぎ」

中小企業にとって現代は厳しい時代です。しかし、跡継ぎがいれば、親としては当然継続してやっていってくれるだろうと半分期待を込めて願うものだ。
先日、同業者の会合で、『中学生の息子が中学を卒業したらすぐ店をやりたいと言っている』という話を聞いた。羨ましい話だ。また一方では、次男を奉公に出したら途中で戻され、そうこうしていたら跡を継がずに会社勤めをし、結婚して子どもまでいる長男が店を継ぎたいと言い出したとか、現在は娘二人が店を手伝っているのだが、息子二人もきもの屋をやりたいと言っている、とか・・・。厳しい時代で毎日どんな日々を送っているのか子ども達はよく知っているはずなのに、それでも後を継ぎたいと言う。子は親をよく見ている?それまで子どもをどう育てたかということではなく、楽しんで仕事をする姿を見ていると、他の仕事のほうが給料が良かったとしてもこの仕事をやりたくなる、そんな魅力があるのか?夫婦仲もよく仕事を本当に好んで働いている。『こんな素晴らしい仕事はない!』と心から思い動けば、お客様にも理解され、店員も生き生きと働く。
『子を見れば親がわかる。親を見れば子がわかる』、と言う。老舗(しにせ)とは『仕似せ』からきた言葉だそうだが、次代へ続けられる店にしたいですね。

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