第625号 2012年5月8日「昔の話-私のこと No.13」

京都の物作り商法と違い、現金を持参して大量に安価で買うというのが名古屋商法だ。それが、私の考えの通りとは思わない。もちろん愛知県でも一宮のウール、有松の絞り等、物作りもしている。名古屋の繊維問屋さんは、物作りをしないで出来上がりを仕入れ、販売する店が多かった。しかし、その方法には問題点がいろいろあった。平成に入り、小売店が時代の流れを読み取れず売上不振になり、問屋街でも商いの方法を変えることなくそれまでのやり方で商売していた。『きものが売れなくなった』・・・そんな時代は来ないと信じていた。そうこうしているうちに『きもの屋の廃業』が始まった。耐えられず問屋さんの倒産が始まった。組合の展示会も少しずつ厳しさを増していった。簡単に売れなくなった。お客様との日頃の接点、信頼関係が大切な時代になった。

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