第573号 2011年10月24日「神戸」

38年も前のこと、神戸で丁稚(でっち)奉公をしていた折に、着物のことをいろいろ教えてくださる武野さんという仕立屋さんがあった。神戸を離れて30年以上経った今でも、心配して何年かに一度はお電話をくださる。
ご主人は90歳台で奥様も昨年米寿を迎えられたところだ。現在もお元気で耳も良い。今でも畑仕事をされているという。健康で長生きしている方とお話ができるのは嬉しいことだ。38年前の私や女房を思い出しながら話をされているのだろう。入社して約8ヵ月間は本店勤めで知らないことばかりだった。ついつい長居して、甘え、遊ばせていただいた・・・懐かしい。
女房の実家の両親も永眠、神戸の奉公先(ひめや)の会長ご夫妻も永眠され、近頃は、年に一度墓参りだけして帰ってくるようになった。奉公先の番頭さんたちも定年で退社されたり、途中リタイヤされた方もあり顔ぶれもずいぶん変わった。
今日は久しぶりにお元気な声が聞けてよかった。ゆっくり神戸に遊びに行ける時間が持てたらいいな。

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