第478号 2010年10月22日「正直屋」

『着物屋』に生まれて60年、商いを意識するようになって50年くらいだろうか?店名が正直屋ということで幼少期は『うそつき屋』と呼ばれ、イジメられた。今でこそ良い名前だと感謝しているが、当時はとてもイヤだった。
普段着られる方が少なくなっても着物はよく売れた。売れたというよりも売ったと言ったほうが正しいだろうか?おまけ商法、イベント販売、観劇券プレゼント、旅行付、等々。時代は変わり、今の正直屋は振袖をメインに販売。家族揃っての記念日作り、写真撮りをしましょう・・・ですネ。
祖父の名が『正直』で『正直に勝る商いはない』と鶴舞の地で商いを始めて86年。あと14年で100年になる計算だ。そういえば、祖父は73歳で永眠したけど、私が73歳になった時がちょうど正直屋100年目の年になるんだ。自分はそういう星の下で生まれたのだろう。100年目になった時に恥ずかしくない店にするのが私の務めかな?何とかして老舗(しにせ)と言われるお店にしたい思いです。

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