第198号 2007年10月19日「そんなアホな!! No1」

カビのにおいがプンプンする名古屋帯を持参されたお客様があり、業者に洗いに出したが『出来ない』と断られた。そのままでは返せないので「丸洗いでもよい」と係りの者が業者にお願いをした。丸洗い後仕上がりをチェックしたら、以前と変わらない。そこで初めて帯芯を抜く段階に入った・・・
プロなら初めから【1】帯芯を抜く【2】カビヌキの仕事をする【3】新しい芯を入れ仕立直しをする、という手順で仕事をするべきだった。しかし今回の仕事は「これがプロのとる仕事だろうか?」と思った。初めからわかっていたなら何故それが出来ないのか?業者も何故最初に一言とるべき方法・対応を教えてくれないのか?腹が立った。
お客様の側から考えるなら当店を信用して持参された品なんだろうに、当店の係りも業者もその事の重大さを感じていない。お金のことなら作業に入る前にお客様にかかる値段の確認をとればいいのだ・・・『高い』といわれれば仕事に入らない方法もあるのに、簡単に「丸洗い」の作業で済ませようとするとは・・・
日々着物は湿気が一番注意しなくてはいけないポイントで、常に販売する折にもお話をする様徹底していることなのに出来ていない。今回の件て一番悲しいことは着物業者の中にきものを好きになっていない、大切にしようとする心がない人がいることです。
もし着物を思いやる心があるなら、とる行動は違ったものになったと思う。

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