第138号 2007年5月1日「昔」

4月に入ると昔は新入社員が入ってきて、4月も中旬になると社員教育も行っていました。
高卒の人や短大卒、専門学校卒の人では、きものの知識も全然違い、特に専門学校卒の人は和裁学校出の子なので、一通りのきものの知識があり、教える方もよほど勉強していないと大変です。質問ぜめになると、わからないことばかり・・・もういやになることもありました。先生も何年もやっているとだんだん慣れてきて、きちんと教えようとすると相手は居眠りしていたり・・・そんな時はテストをすることにしていました。色々な反物を並べてその反物の違いを書きなさい・・・とか。
例えば、和裁学校出の子は商品名を知っているから、小紋とか紬とか附下とか書くわけです。高卒の子だと何もわからないので、反物の端に書いてあることをカンニングして、その通りのことを書きます。
『なぜこの商品は値段が高いのだろう?』『これは着物にするものか?羽織にするものか?』『裏生地なのか?長襦袢なのか?』よ~く見てチェックする様に話します。やはり基本は『なぜ?』『どうして?』だからと考えるからです。
何も知らない子は、私の説明を何も考えずに『す~っと』入れてくれるから簡単です。『これはこういう物です。』「ハイ」
でも、今までに教育を受けてきた子は「違う」と言ったりするんです。だから私も面白がって『なぜ違うんだろうね?』と聞き返すと答えられない。最後に話すことは『はじめに思った「なぜ?」をよく理解することだヨ!!』教えられたことはすべて正しいと思わないこと。「なぜ?」と思ったら色々な本を読み勉強することだね
なんか答えになってないなァ~・・・だからおもしろい・・・・!!

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